第94話

next time i'm born
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2022/11/14 12:30

翌日、わたしたちはみんな揃って理事長の前に立った。
別府ノ守 与太郎
宴は楽しんだか?
織田信長
織田信長
あぁ!存分にな!
別府ノ守 与太郎
では戦を講じようぞ

その一言で、理事長を取り巻いていた甲冑姿の人々は1歩前に出た。
織田信長
織田信長
うつけ共!えいえい
クラスメイト
おー!
織田信長
織田信長
えいえい
クラスメイト
おー!
織田信長
織田信長
えいえい
クラスメイト
おー!

みなが勝鬨を上げ、戦が始まった。
各所でみなさんが協力して甲冑姿の方々を倒していく。

私とみやびは信長様に守られながら、その光景を目の当たりにしていた。

豊臣秀吉
豊臣秀吉
見たかっ!!
戦闘型クローン

倒れた甲冑姿の方に家康が叫ぶと、さっきまで倒れていたその方は何事も無かったかのように立ち上がった。

信長様に倒されたべつの方も。
豊臣秀吉
豊臣秀吉
えぇぇぇぇぇえっーー!!!
あなた

どうして?

日下部みやび
日下部みやび
なぜ、倒されたのに?
別府ノ守 与太郎
この者たちはな、戦うためだけに生まれた戦闘型クローン。死ぬまで戦い続ける屍武者だ。
伊達政宗
伊達政宗
強さは誰かを守るためにある。
蘇るならまた倒すのみ。

そう言って再び戦闘が始まる。
倒しても倒しても起き上がる戦闘型クローンに、みなさんボロボロになっていった。
豊臣秀吉
豊臣秀吉
うわぁー!!!!!
あなた

秀吉っ!!


突然の悲鳴にそちらに目を向ければ倒れた秀吉の顔に、戦闘型クローンが足を乗せていた。
日下部みやび
日下部みやび
秀吉くん!
徳川家康
徳川家康
やめろ!
別府ノ守 与太郎
目を覚まさんか。
貴様の手は誰かに手を差し伸べるためにあるのではない。

秀吉を助けるために手を出した家康くんに、理事長はそう言い放った。
別府ノ守 与太郎
我が野望を阻むモノ。それを木っ端微塵にするためにあるのだ。
さぁ家康。こちら側にもどってこい。
友人などすぐに消え去る。血には抗えん。血に従え!!
徳川家康
徳川家康
その言葉に家康くんはゆっくりと理事長の元へと歩み寄る。
あなた

行ってはダメです!

明智光秀
明智光秀
家康くん?
徳川家康
徳川家康
離せ!
明智光秀
明智光秀
僕は信じてる!
君を信じる僕を、僕は信じる!

1度振りほどかれた手で明智くんは再び家康くんを引き止めた。
日下部みやび
日下部みやび
明智くんっ!

みやびが叫んだ瞬間、明智くんを誘うとしていた戦闘型クローンの刀が明智くんを守ろうとした家康くんの背中に刺さった。
徳川家康
徳川家康
んあ゛っ!!
あなた

家康くんっ!!

明智光秀
明智光秀
家康くん⋯?
別府ノ守 与太郎
バカタレが

家康くんはそのまま倒れ込んだ。
それを明智くんと駆け寄った信長様が支える。
徳川家康
徳川家康
悪くないもんだな。誰かの盾になるのも。
なぁ、信長?俺たちは何のために生まれてきた?俺たちが生きてきた意味はなかったのか?
織田信長
織田信長
その意味を見つけるのだ。
徳川家康
徳川家康
次に産まれてきたら、お前とは⋯
織田信長
織田信長
もう、友だ!

信長様は家康くんの手を握ってそう力強く言い切った。
徳川家康
徳川家康
明智
明智光秀
明智光秀
はい?
徳川家康
徳川家康
ありがとうな、信じてくれて。

そう言った家康くんは意識を失って、力なく頭を落とした。
明智光秀
明智光秀
家康くん?家康くん!家康くん!!
織田信長
織田信長
家康⋯
あなた

⋯ッ

日下部みやび
日下部みやび
⋯ッ

わたしたちには成すすべがなくて、その家康くんの姿を静かに見届けることしか出来なかった。

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