第2話

#2
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2018/05/20 12:58


今から、チームみんなで大輝の歓迎会をすることになってる。


なんか...みんなに大輝が受けいられる感じがしてすごく嬉しい。






必要なものをカバンに詰めて、みんなの元へ向かった。








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「「「大輝のチーム入りを祝して...かんぱーい!!!」」」



グラウンドから少し歩いた綺麗な居酒屋さんを貸し切って歓迎会をやってる。



歓迎会というかこれは...




「っ酒持ってこー、い!」

「...飲みすぎて気持ち悪ぃ...」




...ただの飲み会と化してる。


にしてもみんな飲むなぁ...






「楓ちゃんも飲みな飲みな!」





そう言ってグラスに注がれていくビール。









...あたしは、お酒全般は苦手で飲めない。




20歳の誕生日...


アルコールが3%しか入ってないお酒を飲んだんだけど...








見事に嘔吐しまくった。


一口飲んだだけで胃の中のものが全部......、以下略すね...



しかも、アルコールが抜けるのが遅いらしく...色々とやばいらしい。


あたしにはその時の記憶がないから分かんないけど...一緒にいた男友達が鼻血を吹いて倒れてた。



見苦しかったのかもしれない...


ごめんね...



あたしが、お酒が無理なのを知っているのは涼先輩だけだから...他の人達はあたしが気を使って飲んでないと思っているのかもしれない。




あたしが飲むまで見続けてくるチームメイト。



これは...飲まなきゃいけない空気だよね。






どうしよう...






そう困ってたその時、





あたしの目の前に置かれていたグラスが消えた。



横を見ると...




大輝
悪ぃ、ビール飲みたくなって飲んじまった。



...ありがとう。


あたしが気まずそうにしてるのに気づいて、わざと飲んでくれたんでしょ?







こういう所...好きだなって思う。









好きが溢れて壊れてしまいそうなくらい、あたしは大輝を愛している。
...ううん、いいよ。


「お前が飲むんかーい」

「おいw」

変な空気にならないのは、大輝にまとわりついてる暖かいオーラのおかげ。



あたしは...大輝に助けられてばっかだなぁ...







懐かしいけど...


机から落ちた時。


あたしに元気がなかった時。


お化け屋敷で怖がってた時。


辛かった時。


悲しかった時。





体も心も支えてくれた。




あたしは...大輝なしじゃ、あたしじゃない。









周りに人がいなくなったのを確認して、大輝の耳元で言った。
...助かった、ありがとう!
すると、くしゃっと笑って...
大輝
あんまり無理すんなよ?
だって...優しすぎるよあたしの彼氏様は...



















積み重なっていく1日1日で、あたしは大輝を昨日より好きになる。






























...溢れた愛は、受け止めきれない時もあるのだと、のちに経験することになる。

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