第43話

嫉妬③
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2019/04/02 08:14


 ユウは今日の出来事を訊いてくる。それに対して私は、ひとつひとつ事細かに説明する。どんな小さなことでも報告する。
「そうなんだ。ありがとう」
 報告したあと、彼はご褒美をくれる。繰り広げられる甘い愛の交歓。
「ぁ……ッ」
「ここ、触られるの杏奈好きだよね」
「んっ……」
「気持ちよさそう。可愛い」
 ユウの甘い声に私の身体は熱くなって、止まらなくなる。なにもかもユウのものになった気がして満たされる。
 監禁。その言葉は今は違う気がする。けれど、ユウはたびたびその言葉を使う。
「監禁してごめんね」
「いいよ」
「杏奈がいやだったらやめるよ」
「いいってば」
 申し訳なさそうなユウに私は必死にすがりつく。
 ユウはいつもどこか不安そうだった。ときおり強く私を求めることがある。私はそれを必死で受け止める。狂おしいほどの愛。
 けれど、どんなに受け止めても、彼の目から不安の色が消えることはない。
 なぜ、そんな目をするの? 私はそばにいるのに。安堵していいのに。離れるつもりなんてないのに。だから、監禁されてるつもりはない。
 毎日ここに帰ってくるのもユウに繋がれるのも、私がそれを望んでいるからだ。
 束縛されたい。ユウに縛られたい。私は、ユウを愛してしまった。
 たとえ、それがストーカーだった人であっても関係ない。
 私を愛してくれる。大切にしてくれる。それで、じゅうぶんだった。
 なのになんで足りないの?

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