タクシーでユウの家に帰った。抱きかかえられるようにしてリビングへ行く。
「あはは、ユウ、私酔っちゃったー」
「うん。そうだね。おかげでずいぶん心配したよ」
「えー、心配したのー?」
「死ぬほどね。なのにきみは、無自覚発言ばっかり。許さないから」
「え」
ぴしゃりと言い放たれて、ドキリとした。張り詰めた空気。少し酔いがさめた気がする。
ってあれれ、ユウの顔色があまりよろしくないな。
「覚悟しててね」
ニッコリと笑うユウ。私は完全にユウを怒らせてしまったらしい。
「ゆ、許して……」
「許さないよ」
縛られた。あの拘束具で。懐かしいな、なんて思ってるのも束の間だった。ユウは私の下着に手をかけた。
「ユウ……、ちょっと」
「言い訳は聞かないからね」
「あ……」
ユウが私に触れる。瞬間身体を震わせた。神経を掴まれるような心地を味わう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。