第127話

酩酊⑦
3,303
2019/04/21 06:28


 タクシーでユウの家に帰った。抱きかかえられるようにしてリビングへ行く。
「あはは、ユウ、私酔っちゃったー」
「うん。そうだね。おかげでずいぶん心配したよ」
「えー、心配したのー?」
「死ぬほどね。なのにきみは、無自覚発言ばっかり。許さないから」
「え」
 ぴしゃりと言い放たれて、ドキリとした。張り詰めた空気。少し酔いがさめた気がする。
 ってあれれ、ユウの顔色があまりよろしくないな。
「覚悟しててね」
 ニッコリと笑うユウ。私は完全にユウを怒らせてしまったらしい。
「ゆ、許して……」
「許さないよ」

 縛られた。あの拘束具で。懐かしいな、なんて思ってるのも束の間だった。ユウは私の下着に手をかけた。
「ユウ……、ちょっと」
「言い訳は聞かないからね」
「あ……」
 ユウが私に触れる。瞬間身体を震わせた。神経を掴まれるような心地を味わう。

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