第124話

酩酊④
3,355
2019/04/20 09:07


「浩太くん。きみは……真面目すぎるよ」
「え?」
「もっとろわないと!」
「杏奈先輩……酔ってますよね?」
「そんらことらい」
「酔ってます」
「えー?」
「えーって……」
 なにその適当にうけ流そうとする感じ。憎たらしいなぁ。でも、ちょっとかわいいなぁ。っていうか髪フワフワ。気持ちよさそう。
 浩太くんって動物みたいだ。ちょこまか動き回って、あー、なんかわしゃわしゃってしたい。動物にするみたいに、あぁ、触りたい。 ……もう我慢しない!
 私は、浩太くんの首に手を回すと思い切り頭をわしゃわしゃとした。
「先輩っ!?」
「あはは、かわいいー」
「やめてくださいっ、先輩酔ってますって」
「うん。酔ってるよー」
「こんなところユウさんに、見られたりしたら……っ」
「あはは。うん、ユウにバレたら怒られるね」
「俺……殺されるかも」
「あははは、そんなわけないでしょ?」
「僕が、どうかしたの?」
 !!??
 振り返ると、ユウがいた。なにやら青ざめる浩太くん。
「ユ……ユ……」
「あぁ、浩太。久しぶりだね。あれ、どうしたの? 肩、震えてるけど」
「な、な、なんで、」


プリ小説オーディオドラマ