第39話

溺愛⑩
11,050
2019/04/01 11:34


 図星だった。ユウは私に夢中なんだと思ってた。けど、違う。ほかの人を抱けるくらい軽い気持ちだった。それを知って、嫉妬心に火が灯った。
 ユウは私のもの。だから、だれにも渡したくない。監禁されたのは私。けれど今は違う。自分から望んでユウを求めている。
 言いたくない。でも、言わずにはいられない。だって、言わないと……また他の人に取られてしまう。
 顔を上げた。それから、ユウをジッと見つめる。すこし驚いた顔のユウ。
「杏奈?」
 私はゆっくりと口を開いた。
「監禁するなら責任もって……私のこと見てよ……」
「え?」
「なんで……あの人とはするのに……私には……してくれないの?」
「……杏奈、それって」
「私……ユウと……したい」
 言ってしまった。こんなこと言いたくなかった。でも、言ってしまった。
 自分からしたいなんて、恥ずかしくて情けないことをストーカーに。私、なんて淫乱なの……?
 もぅ……やだ……。
 涙がこぼれそうになった。 その時だった。ユウがいきなり私を抱き上げた。突然宙に浮いた私は、慌てて足をばたつかせた。
「っ……ユ、ユウ!? ちょっと、なにするの?」
 けれど、ユウは何も言わない。無言で私を抱えていく。
 廊下を出て、二階へ。ドアを開ける。そこはユウの寝室だった。ユウがベッドに私をおろす。

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