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第2話

少女、出会う
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2023/08/19 22:00
私が彼に出会ったのは嫌という程太陽の日差しが照りつけた快晴の日。
学校帰りで、まだ暦上では春だと言うのに夏のような温度でいやいやしていた時だった。

『にゃあん』

可愛らしいブチ猫を見つけた私は1回でも触ろうと追いかけていたところだった。
あなた

猫ちゃーん!!!待って待って!!!

ここは田舎だから周りには誰もいない。
その中でもここは人通りの少ない道だから誰も居ないと思った。
あなた

捕まえた!

ピタッと猫が止まりその隙に撫でていたら、ふと人影があることに気づいた。
彼は、猫を見てニヤニヤしながら撫でている私をずっと見ていたようだ。
なんだかとても恥ずかしくなって猫から離れた。
恥ずかしながらも彼がどんな人なのかは興味があった。
なのでゆっくり猫から離れながら彼の姿を見てみると、浴衣(もしかしたら袴というものかもしれない。)に眼帯それでいて長髪というなんとも痛々しい男ということがわかった。
『これは…関わっちゃダメなやつだ……。』
そう思って少々早足でその場を後にした。
しかし本当の問題はここからだった。

あの男がいた場所はいつも自分が通学路にしているところで絶対に通らないと行けない道であった。
だから『明日はいませんように。』と祈願してその夜は過ごした。
が、その願いも虚しくあの男は次の日もいた。

しかし行きの時間帯ではなく帰り。要は4:30ぐらいからいることがわかった。

その次の日、その次の日もその男はベンチに腰掛けていたが何も話しかけてはこず気味の悪さがあった。

とは言っても慣れというものは怖いもので1週間もすれば何もしてこない男に安心を覚え、一言『こんにちわ。』と挨拶をするような関係になった。
だがそれだけである。
それ以上も以下もない。きっとこのまま続くのだろう。そう思っていた。
突然だが私の話をしよう。

鹿嶋あなた。普通のJKである。
普通の人と違うことがあるとすれば視力が異常なまでに高いことと人ならざるものが見えることである。
なんと呼べばいいか分からないが私は化け物と呼んでいる。

基本的には無害で大人しいものが多いが、自分が見えるものだと気づくと襲ってくるモノもいる。
なので私は基本無視を続けているし、怖い目にあったことはない。
だからその日もあの男のそばにいた、小さい化け物の列を避けようとした時である。
???
貴方、視えるのですか?
突然彼から話しかけてきた。
あなた

えっ!?

私はビックリして化け物の参列を踏みつけそうになった。

流石に得体の知れないものを踏むのは嫌で何とか気合いで跨いだが、その反動によって体のバランスが崩れて彼の身体に突っ込む形になった。
???
おや。大丈夫ですか?
意外とガッシリとした身体にドキドキした。
また、恐る恐る顔を上げて見た彼の顔は整っていて、片目さえ隠れていなければそこら辺のイケメンなんて相手ではないぐらいに素敵だと思った。

いや、見惚れている場合ではなくて…。
あなた

は。はい。大丈夫です。

自分にとっては化け物が視えることを見ず知らずの人に。
しかも怪しい男にバレてしまったことが大変だと思った。
私は男が次の言葉を発する前に離れて急いで逃げた。
『やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。』

私の頭の中はそんなことしかなくて、通学路を変えようかと思ったけれど、田舎すぎる私の街はあの道を通らなければ学校は行けないことを思い出して、
結局は何を言われても無視をしようと決めた。
ーーーーーーー次の日
いつもの学校の帰り道。
私はいつもよりも早足で道を歩く。
あの男となるべく鉢合わせないためだ。
『こんなことをしても無駄だろうな。』と思いながらもやっぱり昨日の恐怖が勝って自然と足は早くなる
だが、いつも座っているベンチにあの男の姿はいなくて、絡まれることがないとわかった瞬間ほっとして足を緩めた。

その時、後ろからあの声が聞こえた。
???
今日は居なくてほっとしましたか?
まるでホラー映画のワンシーンにいるような気分になった。
本当に心臓に悪い…。

私は昨日のように逃げ出そうとした。が、金縛りにあったように全く体が動かない。
???
おや、逃げ出そうと思ったって無駄ですよ。そういう術具があるんです。
あなた

何が、目的なんですか?

見た目からヤバいと思っていたが、本当にやばかった。
しかし1ミリも動けないのは事実で抵抗することはやめた。
的場静司
ふふ。お騒がせして申し訳ございません。
私の名前は的場静司。貴方に話があって来ました。
鹿嶋あなたさん。
あなた

えっ。なんで私の名前…。

的場静司
制服を見ればわかりますよ。
それにここら辺に学校は少ないですし中学生にしては大人びている。
まぁ、少し調べれば分かりますよ。
まずいまずい。本当にまずい。
私の名前を知っている以上下手に刺激をすると危ないことを本能的に感じる。
私はこの男に従順になることにした。
あなた

話ってなんですか?

的場静司
いえ、そんなに危ないことは話しませんよ。
他愛もない話です。
そんなに怖い顔をしないで。
あなた

それなら早くして下さい。

的場静司
それは…すみません。
私はよくいらない話を良くしてしまう。
ケラケラとした顔をする男に少しムッとする。
的場静司
貴方、妖がみえますね。
あなた

…………。だったらなんなんですか?

的場静司
妖は祓えますか?
あなた

祓う?どうやって…。

目的が不鮮明な男の質問にイライラしながら私は答える。
的場静司
なるほど。
では、貴方の親類に視える人はいますか?
あなた

いえ……。聞いたことはありませんね…。

私はどうなってしまうのだろうか。
そんな不安を胸に彼の質問に順々に答えていく。
早く帰りたくてしょうがなくて半ば呆れながら答えた。

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