第73話

相澤先生イケメンです。大好きです。
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2020/05/30 02:00
『相澤消太side』
爆豪も戻った。


ガスにやられたやつらも目を覚ました。
相澤先生
もう皆帰ってきた…爆豪も。帰ってきてないのはお前だけだ甘井。
ピッ  ピッ  ピッ  ピッ
相澤先生
明日から家庭訪問に行くんだが、お前の家には電話をしておく。
甘井、お前だけ易々と死なせたりしねぇよ…



必ず助ける。俺の生徒は誰一人殺させやしない。
コンコン
相澤先生
はい
医師
どうも、甘井あなたさんの主治医です。
相澤先生
あ、どうもお世話になってます。
医師
雄英も大変ですね、
相澤先生
そうですね…
医師
教師は大変ですか?
相澤先生
大変です。言うこと聞かない生徒もいるし、こいつとか。正直疲れる日もありますよ。
相澤先生
でも…こんな生徒こそ育てがいがあるモンです。
医師
そうですか、あの子たち、すごくいい子に育ってますよ。
相澤先生
あの子たちとは、?
医師
ずっとあなたさんのそばにいる黒髪の男の子と、金髪の男の子です。
相澤先生
ああ、甘井のことは家族も同然に思っているやつらですね。
相澤先生
きっと今、悲しみや苦しみ、いろいろなものを感じていることでしょう。
でも、どんだけ俺らが悲しみを感じたところで甘井の痛さを共に背負うことはできない。
.

.

.
『爆豪家 家庭訪問終了後 相澤消太side』
爆豪勝己
先生、あなたの調子は?
相澤先生
変わりなしだ。目が覚める気配も、逆に心停止する気配もない。
爆豪光己
あなたちゃん、怪我したんですか?!
相澤先生
ええ、正直回復の見込みは0だそうです。
爆豪勝己
そんなのはいんだよ。あなたに…早く会わせてくれ。
そうか、爆豪は外出が禁じられているせいで会えていないのか…
こちら側としても甘井に会わせたいが…
相澤先生
ダメだ。
爆豪勝己
なんでだよ、!!!!
爆豪光己
勝己が、外出できないのは分かってます…でも、あなたちゃんはもう私達の娘のような存在なのでお見舞いにいかせてもらえませんか、?
相澤先生
…外出禁止は少なくとも、1人単独でのものだ。
爆豪勝己
、じゃあ!!
相澤先生
明日の昼過ぎ家庭訪問が終わる。その後家の前に迎えに来る。
爆豪勝己
今すぐは行けねぇのかよっ…
爆豪光己
私も、いいですか…?
相澤先生
もちろんです。甘井も、母親と同じくらいの年齢の大人が来てくれると喜ぶでしょうし。
相澤先生
ではまた明日、お伺いします。
甘井、明日爆豪がようやく来れるぞ。それまでもちろん待てるよな…?
.

.

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『翌日 昼過ぎ 相澤消太side』
ピンポーン


ガチャ
爆豪勝己
…行くぞ。
爆豪光己
お願いします。
相澤先生
病院に着いて、甘井を目の前にしてくれぐれもびっくりしないように。
爆豪勝己
しねぇよ、
爆豪光己
今日の様子はどうですか、?
相澤先生
今日は熱が少し下がりました。連日40℃の高熱状態だったのが39℃台までようやく。
この少しの変化がこんなにも自分の心を安心させるとは思いもしなかった。
現状打破はできていない。



でも、それでも改善へ向かっていると信じたい。
.

.

.
『病院にて 爆豪勝己side』
あなたに会える。そう思っただけで、生きて帰って来れてよかったと感じる。
だけど、あんまりじゃねぇか…


あなたばっかり辛い目に合わせやがってよォ…
コンコン
爆豪勝己
入るぜ、あなた…
返事は来ねぇ。分かっててもいざ返事がないと分かると悲しくなる。
ピッ ピッ ピッ ピッ…
部屋に入って最初に感じたのは、否めない無機質感。
爆豪勝己
_っ…!!あなた、!!
窓から差し込む斜陽があなたの横顔を照らしている。


苦しそうに顔を歪めることなく、穏やかな顔をして眠っていた。


静かな横顔は、普段のうるさいあなたの姿を全く彷彿させない。

爆豪勝己
しばらく…2人にしてくれ、
相澤先生
分かった。
爆豪勝己
あなた…、あなたっ!!
あなたの手を握り、床に崩れ落ちる。
熱の影響で、手はひどく熱かった。
爆豪勝己
あぁっ…俺が変わる、だからっ…あなただけは元気になれよっ…
お願いだ、目を開けろ…


話しかけろよ…


俺の名前を…爆豪って呼べよォ…
爆豪勝己
うぅっ…俺はどうなってもいいんだよっ…
.

.

.
『その頃 外では 相澤消太side』
爆豪光己
勝己のあんな、苦しそうな顔初めて見ました。
相澤先生
甘井のことになるとしょっちゅうあんな顔しますよ、
爆豪光己
あなたちゃんは、どんな子ですか?お葬式でしか関わっていなくて、
相澤先生
とても元気でいつも明るい良い奴です。人のことを思いやれて、ほんとに…っ…
医師
あれ、相澤先生!今日もいらしてたんですか?今から回診に回るところなんですよ。
相澤先生
あ、今は甘井に来客が来ているので後からにしてもらえませんか?
医師
構いませんよ、もしかして、爆豪くんが会いに来れたんですか?
相澤先生
ええ、そうですが。
医師
あなたさん、よかったねぇ…高熱にうなされながらずっと爆豪くんを呼び続けていたんです。
医師
そっか…やっと会えたんだね。
相澤先生
そうだったんですか。
医師
ところで、あなたさんのお母様ですか?
爆豪光己
あ、いえ、爆豪勝己の母です。
相澤先生
あいつの両親は亡くなっています。
医師
そうでしたね、!ではもう、父親母親役代理として一応聞いていただきたいことがあるのですが。
相澤先生
はい、
爆豪光己
なんでしょう、!
医師
あなたさんは、脳出血を起こしたことから脳血腫へと容態が悪化していると検査で分かりました。
*脳血腫・・・頭蓋骨の内側で脳の表面との間にゆっくりと血液が貯まっている状態。
医師
そこで、血腫を除く手術を行えば回復する見込みはかなり上がります。
爆豪光己
それならすぐ手術をお願いします、!!
医師
しかし、同意書を書いていただくに当たってあなたさんの親戚に一応連絡を取っていただけ無いでしょうか。
相澤先生
…分かりました。
正直、甘井の親戚は苦手だ。
個性糖分を受け継いでいない親戚はなんだかギスギスして息が詰まりそうになる。
医師
ではまだしばらくこの階の回診でいますので連絡が着きましたら教えてください。
相澤先生
はい。
.
プルルルル  プルルルル  …
甘井のおばあちゃんの妹
はい。甘井家でございます。
相澤先生
どうも、雄英高校の相澤と申します。
甘井のおばあちゃんの妹
どうも。もしかして、ヴィラン襲撃の件ですか?
甘井のおばあちゃんの妹
それならうちは何も気にしないでいただいて結構ですと、お伝えしたばかりですが。
相澤先生
いえ、甘井あなたさんの容態の件なのですが、今回主治医の方から手術の案内が来まして。同意書のサインのため来院していただきたいのですが。
甘井のおばあちゃんの妹
いいです。
相澤先生
…はい?
甘井のおばあちゃんの妹
手術は受けなくていいです。なんなら、延命治療もしなくて結構です。
相澤先生
なにを、
甘井のおばあちゃんの妹
あの落ちこぼれに未来はありません。どうせヒーローにもなれやしない。ここで死んだ方があなたも幸せでしょう。
相澤先生
では、手術は受けないということでよろしいですか、?
甘井のおばあちゃんの妹
はい。それでは失礼します。
ツー ツー ツー
.
医師
あ、先生連絡着きましたか?
相澤先生
はい。
医師
親戚の意向の方は?
相澤先生
手術は受けなくていいという意向を示しました。
爆豪光己
え、?!
医師
それじゃあ…
相澤先生
お願いします。甘井を、助けてやってください。同意書には俺がサインをします。手術費なら俺が払います。だから、どうか…お願いします…
人にお願いするうえで、こんなに頭を下げるのは久しぶりだ。
爆豪光己
私からもお願いします。あなたちゃんが元気になるなら、同意書にもサインします。お金も負担します。
相澤先生
爆豪さん、!
爆豪光己
もうあなたちゃんは娘みたいな存在だって、言ったじゃないですか。
医師
分かりました、手術やりましょう、!!
                to be continued↪︎
〜作者から〜
相澤先生いいい、手術するって選択してくれて感謝です😭😭
イケメンじゃないですか、そして光己さん!!もう甘井ちゃんを養子にもらってくださいよぅ!!
まあまあ、そんなこんなは置いといて、手術して回復を期待しましょう!!
えー、次回、甘井sideで見る景色!
シリアスぶち壊しちゃいます、
では、また次のお話で!!

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