記念館までの道を歩きながら、
もう10月にもなって、
もう4ヶ月ちょっとで新しい管理人さんが来て、
もうあなたちゃんと会う口実はなくなるな、
次はどうやって彼女に会えばいいんだろうなんて、
そんな、人が聞いたらキモイって言われそうなことを考えながら
あなたちゃんが好きなんだなって、自覚する。
昨日はソユンを久しぶりに呼び出して。
もう連絡してこないで欲しいこと
もうソユンの事は好きじゃないことを話してきた。
納得いってないみたいだったけど、
でも恋人っていう関係はもう1年も前に終わってたから、
自分の中で、ソユンとの関係に、完全に終止符を打った。
キャンパス内で、唯一外に設置された自販機の場所を通りかかる。
__________________________頭を殴られたような衝撃が走る
あなたちゃんと、ジョングク……?
なんで、キスしてるの…?
あなたちゃんは、少し泣きそうな顔で、でも驚いた顔で、ジョングクを見ている。
あなたちゃん、
悲しみ、不安、嫌悪、いろんな負の感情が混ざって脳を支配する。
どれだけぼうっとしていたのか、気づけばそこにはもう2人はいなかった。
とりあえず、
記念館に行かなきゃ、
会えるかも。
でも、俺が着こうとした時には、ちょうどあなたちゃんは泣きながら記念館から出てきていて。
そんな俺の声も聞こえないくらい錯乱しているみたいで、どこかに走っていった。
記念館に誰かが…?
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。