第4話

第3話
656
2020/06/27 14:07
手越との一件があったあとやっとシゲに勉強を教えて貰える事になった。しばらく気まずい雰囲気になり、最初に口を開いたのは以外にもシゲだった。
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
さっきはごめんな。あんな助け方しか思いつかなくて。
謝るのは私の方だと思った。あんなの振り切っちゃえば良かったんだ。そしたらシゲにあんなこと言わさずに済んだのに。
私
私こそごめん。迷惑かけて
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
別にいいよところでどこがわかんないの?
シゲが強引に話を逸らしこの話と共に少しジメジメとした雰囲気も無くなった。そしてシゲが何処が分かんないの?って聞いてきたから私は、
私
全部!
と言ってシゲを引き留めれるだけ引き留めた。
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
お前なぁ。ちゃんと授業聞いてるの?授業中なにしてんの?大体こんくらいは中学校の知識があれば解けんだよそれに・・・
その後ガッツリ怒られた。だけどそれでも昼休みいっぱいいっぱいまで根気よく教えてくれたシゲの解説はとても分かりやすくて、私はその後の数学の授業も少しいつもより楽しく受ける事ができた。シゲはこんなことを言っていた。
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
俺、家の事が無かったら、教師になりたかったんだ。でも、生まれた時から婚約者が決まってて、家継がなきゃだから。少しでも教師なった気になれた。ありがとう。
そう言ったシゲの目は悲しげで、小さい時からいつも色んな親の会で一緒に遊んで来たけど、こんなシゲは初めて見た。私はこの人の人生を何とかしてあげたいと思った。
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
せめて、婚約者があなたみたいな人だといいな。
この言葉に私は、こんなことを思った。せめて、シゲの好きになった人と結婚出来ますように。そしてあわよくば教師になれますように。
私
私もシゲみたいな人だったらいいなぁ
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
ほんとに?俺みたいな人でいいの?
シゲはいつも自分に自信が無い。だけど私はシゲほど気を遣わなくて良くて、話しやすいのは、シゲくらいしか居ないと思う。いつも私はシゲに助けられて来た。だからどうにかして助けてあげたいと思った。
私
なんで?頭良いし、カッコイイし、優しいし、いい事しかないじゃん。
私は勢いで色々シゲのいいところを口走った。シゲの説明くらい詳しく、分かりやすく。
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
そんな自分の事みたいに言う?
って言われたけど、私は本当にシゲの人生を救ってあげれればと思った。
私
どうにかなればなぁ
私が答えも出ない事に悩んでいると、
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
じゃあさ、あなたまじで俺の女になって。卒業まででいいから。
私
えっ?!
びっくりして言葉がしばらく出なかった。次にシゲに、
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
やっぱダメだよな。俺じゃ。
と言われてやっと脳が事態に追いついた。
私
ダメなわけないじゃん!私シゲじゃ無きゃダメ!
こうして、卒業まで付き合う事になった。
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
あなたよろしくな!
幸せな気持ちになった。

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