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第1話

言 霊
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2018/11/05 09:36
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『なぁ、先生?俺の命はなくなる運命なんだろ。』



震えた声が空気に触れた。瞬間、言霊は響いた。ただただ、しんみりと儚げに散っていった。



「…馬鹿かよ。お前にはお前を望む奴らが沢山待ってるんだよ。お前みたいな馬鹿が、馬鹿みたいにいるんだよ。…お前はそんな馬鹿たちに恩を仇で返しちまうのかよ。」



『…そんな事したくないよ。でも、努力したところで結果は同じなんだよ。病気は良くならない。ただ病状が悪い方へと進むだけ。…そんな事____』



「その考えがひねくれてんだよ…!もっと努力をしろ_____」



『黙れよ…!!!こっちの気持ちをわからずに…お前の理論叩きつけやがって…!!少しは黙ってあたま冷やせ馬鹿…!!!』



カッとなって言い返した。人間、価値観なんてバラバラなんだ。基準なんてそんなもの正しいわけがない。薬の副作用、周りからの偏見、親からの差別、暴力、いじめ。…誰も味方なんていないじゃないかよ。彼奴だって口だけなんだろ?また俺を騙すんだろ?

…ならいいよ。俺が人を信じなければ。人を頼らなければ。完全に孤立したっていいんだだから、だから、誰かが手を差し伸べるまで、それまでただひたすらに海の底で助けを待つんだ。



_____ 人間不信 _____

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