第62話

強豪校
3,600
2020/11/21 04:00
*あなたside



第2セットが始まって少しして向こうがタイムアウトを取った



あなた「お疲れ様です!」



海「ありがとう」



私は、一人ひとりにドリンクとタオルを渡した



あなた「山本先輩、お疲れ様です!」



山本「お、ありがとな!!」



山本先輩は私と話すことに慣れたのか、話す時は・・・・赤面しなくなった




タオルを渡す時に、私の手に先輩の手が触れた



山本「!? プシュー////」



あなた「あ、ごめんなさい…!」



夜久「ちょっとは慣れてきたと思ったんだけどまだダメか」



山本先輩はその場に倒れていた




一方で私は、普通にするよう努めた



……普通にできてるかな?




自分の気持ちに気づいてから、先輩を見る度に心臓が高鳴った




さよ『"マネージャー"の前にあなたは"一人の女の子"なんだからさ、別に選手を好きになったっていいと思うよ』



さよはそう言っていた



さよの言うことも一理あると思った





選手を支える立場であるマネージャー



そんな立場にある私が、選手に私情を挟んではいけないと思う



それに私は、音駒のバレーが大好きだ



そこに私の気持ちを持ち込むのは、みんなに失礼だ



だから私は先輩への気持を隠すことにした







黒尾「相変わらず、すっごいな……」



クロくんがベンチに置いてある文字が敷きつめられたノートを見て言った



あなた「え、変??」



孤爪「変っていうか……ね」



ボトルを置きに来た研磨くんがそう言った



なに、その間は……



あなた「あ、もうタイムアウト終わるね」



孤爪「……疲れた」



あなた「もう少し頑張って!家帰ったら昨日作ったアップルパイ届けに行くからさ!」



孤爪「ほんと……?」



あなた「うん!」



そして、試合が再開した





ピピーッ!



クロくんと研磨くんの速攻で試合が終了した



第2セットの結果は26音駒24加芽田だった



「「「ありがとうございました!!」」」



そうして、今日の試合は終わり、他校の観戦のためスタンドに向かった




「うわ、井闥山だ……!」



「え、シードなのに今日あんの?」



「さぁ……観戦じゃね?」



周りの人達の注目の的は向こうから歩いてくる強豪校・井闥山学園だった



黒尾「あれ見ろよ」



クロくんがちらっと見た先にいたのはくせっ毛の人



夜久「あれが"関東の佐久早"か……」



"佐久早"……?



少し疑問に思っていると、そのくせっ毛の人と目が合った



とりあえず会釈をした









すると、その人はこっちに向かってきた












「………なんであなたがここいんの?」

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