*あなたside
灰羽が上げたトスに合わせて跳んだ時……
あなた「低かった……」
他の人が上げたトスに合わせて跳ぶのは中1の時以来だから仕方ないんだけど……
あなた「とりあえず今は目の前のことに集中…!」
それから、点を取って取られて、13:11になった
私たちが2点リードしている
今回は球技大会なので、15点先取制になっている
灰羽「あなた、サーブ!」
そう言って灰羽にボールを渡された
あなた「うん!」
あと2点で私たちが勝つ
みんなの様子を見ると、結構疲れてそうだ
サーブで点取れれば一番いいな…
よし…!
私は息を整えてから、ボールを上にあげた
そして、ボールに合わせて跳び、無回転のボールを打った
「オーライ!」
向こうのチームのひとりがそう言った
佐藤「それジャンフロ!!」
佐藤さんがそう声を上げた時
ボールはカクンと軌道を変えた
「な、なんだよ今の!!」
「ボールが曲がった!?」
みんなは大盛り上がりだ
灰羽「あなたー!!今の何!??」
そして、灰羽も大盛り上がり
あなた「ジャンプフローターサーブだよ」
灰羽「俺もやりたい!!」
あなた「レシーブができるようになったら教えてあげる」
灰羽「も、もうできるし……」
灰羽は目を泳がせてそう言った
あなた「うそつき〜!ニコッ」
灰羽「な、//」
「あなたちゃん、サーブもう1回だよー!」
あなた「あ、うん!今行く!」
そう言われてボールを持ってコート外へ出た
次もジャンフロでいこっかな
私はもう一度、無回転のボールを打った
しかし、それは佐藤さんによって拾われてしまった
あなた「やっぱ、上手いなぁ…」
そして、向こうのチームが上げたトスを佐藤さんが打った
!!
その先にいたのは灰羽だった
とりあえず上げて……!!
そう思ったが_
灰羽はすごく綺麗なフォームでボールを上げた
灰羽「あなた!!」
私は灰羽にトスを上げた
あなた「灰羽!!」
バシュッ
そう音を立てて、灰羽がスパイクを打った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!