第19話

視線
7,185
2020/08/30 04:20
*あなたside



朝、学校へ行き下駄箱を開けると…



あなた「うわ…」



『退部しろ』と書かれた紙が大量に入っていた



これって…そういう・・・・ことだよね…



私はそのうちの1枚だけポケットにしまい、あとはゴミ箱に捨てた





あなた「おはよー!」



いつも通りに教室へ入ると…



「あ、あなたちゃん……」



みんなが私の机の周りに集まっていた



そこには『消えろブス』『調子乗んな』などという言葉が書かれていた



「私たちが来た時にはもうこうなってて……」



「さすがに酷いよね……」



「大丈夫…?」



みんなは俯きながら私にそう声をかけた



あなた「大丈夫だよ!みんな心配してくれてありがとね!」



私が笑ってそう言うと、みんなはホッとした顔になった


あなた「あとお願いがあって……この事は今いる人だけの秘密にしてくれないかな?」



「え?でも…」



あなた「お願い!」



「…うん、わかった」



先生やさよ、先輩たちにバレでもしたら……みんなに迷惑かけちゃう



…まずは、先生が来る前に消すか



幸い、水性ペンで書かれていたので雑巾で消すことが出来た




さよ「あなた、おはよう」



あなた「おはよー!さよ!」



少ししてからさよがやってきた



あとちょっと遅かったらバレてたかも…



さよ「どうかしたの?」



あなた「え?なにが?」



さよ「……なんでもない」



そして、チャイムが鳴ると同時に灰羽もやってきた



灰羽「セーフ!!」



先生「アウトだよ」



クラスから笑いが起こった



先生「英語の小テストが返ってきてるから呼ばれたら取りに来ーい。相原、赤羽、飯田、井上、空井……」



98点……あ、過去形にするの忘れてる……凡ミス…



それだけ見て、その答案用紙を机の中にしまった



先生「灰羽、濱中…」



灰羽は答案用紙を受け取ると、「よっしゃぁぁ!」と声を出して先生にうるさいと怒られていた



そして、HRが終わると私のところにやってきた



灰羽「あなた!俺、68点!!!」



え、あんなにやって68点…?



灰羽「俺いつも30点も取れないのに!!」



あなた「え、そんなに!?」



灰羽「あなたのおかげ!!ありがと!!」



あなた「どういたしまして!」



私はこの時、廊下からの視線に気が付かなかった

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