第45話

鼓動
5,758
2020/10/15 11:56
*あなたside



山本先輩がくれた焼きそばパンは私が想像していたサイズの倍近くあった



山本「知らなかったのか?うちの購買の焼きそばパンはデカくて有名なんだよ!」



クロくんが言ってたのはこのことか……!



犬岡「水買ってくる!!猛虎さん、あざーっす!!」



芝山「あ、僕も行く!ありがとうございます!」



そう言って、走っていく犬岡を芝山が追いかけて行った



私はサンドウィッチどうしよっかなぁ…



クロくんに食べてもらう、というのも考えたが、朝のことを思い出すと無性に腹が立ったのでやめた



山本「あの……そ、その……あなた、大丈夫、か?////」



あなた「え?なにがですか?」



山本「え、っと…その……な、なんか困ってる、みたいだからよぉ……////」



山本先輩は顔を赤らめながらそう言った



あなた「私、焼きそばパンだけじゃ足りないと思ってサンドウィッチ作ってきたんですけど…」



私は自分の手の中にある焼きそばパンを見つめた



山本「で、でかいもんな……!////」



あなた「そうなんですよ……笑」



研磨くんは少食だし、犬岡と芝山はどっか行っちゃったし、灰羽はでっかい弁当箱持ってきてたし……



山本「あ、あの……!!」



あなた「は、はい!」



大きい声で言われ、びっくりしながらそう言った



山本「そ、そのサンドウィッチ……俺が貰っちゃダメか!!?////」



山本先輩は背筋をピンと伸ばしていた



あなた「え、逆にいいんですか……?」



山本「お、おう……これだけじゃ足りねーし…///」



え、こんなボリュームのパン食べても足りないんだ……



男子高生すごい……



あなた「じゃあ、教室から取ってきます!」



山本「え、い、いや…俺取り行くよ、//」



あなた「わかりました!一緒に行きましょ!ニッ」



山本「うぉぉ……///」



山本先輩はうめき声(?)をあげたけど、いつもの事だからあまり気にならなかった




教室に着き、私はサンドウィッチが入ったランチボックスを取った



山本「ア、アリガトウゴザイマス……//」



あなた「こちらこそ、ありがとうございます!」



カタコトな日本語で喋る山本先輩にランチボックスを渡した



山本「俺も金節約できたし……ありがとな…!//ニッ」




ドクン



『じゃあ!』と言って山本先輩は走り去ってしまった



私はその場にしゃがんだ



山本先輩の笑顔を見て、鼓動が早くなっている




あなた「笑顔初めて見た……//

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