第23話

珍しい朝
7,017
2020/09/06 10:32
*あなたside



ピピッピピッ



目覚まし時計の音が部屋に鳴り響いた



あなた「んんぅ………」



今日は……朝練か……



キッチンに向かい、私は自分とおばさんの分の朝食とお弁当を作った




着替えやらなんやらが終わると、少し時間が余っていたのでスマホをいじっていた



ピコン



あなた「ん……?あ、研磨くんからメッセージ来た」



<孤爪研磨
孤爪研磨
孤爪研磨
朝一緒に行こ
空井あなた
珍しいね笑
孤爪研磨
孤爪研磨
だめ?
空井あなた
だめじゃない!!!
孤爪研磨
孤爪研磨
じゃあ、もうちょっとしたら迎えに行くね


あなた「研磨くんが……迎えに来てくれる、だと……?」



なんて珍しいことなんだ……!



今日はきっといい日になる……!!



私はウキウキしながら玄関で研磨くんを待っていた




ピンポ((ガチャ



インターホンが鳴りきらないうちにドアを開けた



あなた「おはよー!!」



孤爪「おはよう……朝から元気だね……」



研磨くんは眠そうに目を細めながら言った



あなた「だって、研磨くんと一緒に学校行けるんだもん!」



孤爪「そう……じゃあ、行こ」



私は歩き始めた研磨くんの後を追いかけた






学校に着き、下駄箱を開けると……



あなた「あれ……何もない……?」



孤爪「そりゃこんな早くに学校来ないでしょ」



あなた「たしかに……って何で知ってるの!?」



孤爪「……なんでだろうね」



研磨くんは含みのある言い方でそう言った



孤爪「ほら、早く履き替えて」



あなた「あ、はーい!」




体育館に入ると、まだ誰もいなかった



あなた「一番乗りだ……!!」



孤爪「早く来すぎた……」



あなた「私は嬉しいけどなぁ……」



孤爪「……なんで?」



あなた「だって、いつも先輩たちが先に来てて準備してくれるんだもん。普通そういうのってマネの仕事でしょ?やっと職務を全うできる……!!」



そう言って、私はネットやボールの準備を始めた




でも、さすがに1人でネットを張ることは出来なかったので、研磨くんに手伝ってもらった




あなた「……来ない」



一通りの準備が終わっても、まだみんなは来なかった



孤爪「……遅い」



あなた「今日、朝練ある……?」



孤爪「ある、はず……」



その時、私は昨日のミーティングを思い出した

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黒尾『いつもなら朝練ある曜日だけど、明日はねーからな、間違えんなよ』



『『『『うぃーっす』』』』

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あなた「あ、今日朝練ない……」

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