第16話

過去②
7,599
2020/08/28 07:35
*黒尾side



黒尾「ごめん、軽々しく聞いて…」



あなた「え、謝んないで!知らなかったし仕方ないって!」



黒尾「…うん」



俺は、あなたの頭を撫でた



あなた「クロくんって変なとこで優しいよね〜」



黒尾「変なとこって…いつも優しいでしょ」



孤爪「クロ、何言ってんの?」



あなた「ほんとほんとー」



黒尾「ちょ、酷くない?」



あなた「あ、研磨くん、今日アップルパイ作ったけどいる?」



孤爪「!いる…」



黒尾「え、無視デスカ?」



あなた「クロくんもいる?」



黒尾「…いります」



そのあと、あなたの家でアップルパイを食べた



そして、帰ろうとした時、俺はスマホを忘れたことに気づいた



戻ろうとすると、泣き声が聞こえた



あなた「うっ…うぅ…((グスッ」



黒尾「あなた…?」



あなた「え、クロくん…!?帰ったんじゃ…!?」



黒尾「いや、スマホ忘れて…」



あなた「あ、これ…?はい」



あなたは顔を隠しながら、俺にスマホを渡した



黒尾「さんきゅ…」



あなた「…うん」



黒尾「…俺でよければ話聞くから、一人で泣くなよ…」



あなた「!……((ボロボロ」



俺は、あなたを抱きしめて背中をさすった



過去を笑いながら話すあなたを見て、コイツは強い奴だ、勝手にそう思っていた



だけど、そんな事はなくて、きっと今までずっと我慢してきたのだろう



あなたは嗚咽を漏らしながら泣いていた



自分の腕の中で泣くあなたを見て、自分との体格差を感じた



意識してなかったけど、ちゃんと女の子・・・なんだな…

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

あなた「…ごめん、いきなり泣いたりして」



黒尾「いや、俺のせいでもあるし…」



あなた「なんで?」



黒尾「辛いこと思い出させただろ」



あなた「クロくんのせいじゃないよ」



黒尾「…我慢しすぎるなよ」



俺はいつでもお前の味方だから…



あなた「ありがと((ニコ」



黒尾「お、う……」



今までなんとも思っていなかったあなたの笑顔を見て、胸がきゅーっとなった



俺の中で『近所の子』だったあなたが『好きな子』に変わったのはきっとこの日だろう……






それから、あなたは俺によく愚痴を言うようになった



心做しか、前よりも距離が近くなった気もした



その度、俺のあなたへの想いもどんどん募っていった

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