第61話

インターハイ予選
3,608
2020/11/13 12:00
*あなたside



対加芽田商業の練習をして、ついにインターハイ東京予選の日になった



スタメンはクロくん 海先輩 研磨くん 福永先輩 山本先輩 犬岡 そして交代で夜久先輩だ



ピピーッ



「「「「よろしくお願いしまーす!」」」」




あなた「……始まってしまった、」



直井「ちゃんと見とけよー」



あなた「公式戦って緊張半端ないですね……」



猫又「なーに言ってんだ、何回も出てるだろ」



あなた「コート向こうベンチこっちだと全然違うんです……」



いつもなら試合が見れて嬉しいのに、胃がキリキリする



あなた「胃腸薬が欲しい………」






*芝山side



__とか言ってたのに



ペンを強く握りノートに書きなぐっていく空井さん



さっきまでは『緊張する』なんて言っていたのに、今は試合に集中している



チラッとそのノートを覗いてみた




『⑦レシーブ苦手 (1年の可能性あり)
③ジャンフロ スパイクサーブ←使い分け
④クロス得意
⑩アウトしがち
②スパイクサーブのみ→コントロール力高い』




いつもよりは乱れているものの、割と綺麗な時でそう書かれていた



この短時間でよく気づくよね……





向こうの3番のサーブになった時だった



あなた「……ジャンフロか」



芝山「え、なんでわかるの?」



あなた「あの人、スパイクサーブの時はボール回すけど、ジャンフロの時は……ほら」



そう言われ、見るとバシバシと音を立ててボールをついていた



あなた「あの人のルーティーンみたいだね」



DVDではあんま映ってなくてわかんなかった、と空井さんは言った



直井「……ばけもの



芝山「……わかります」



犬岡くんは1年なのにスタメンに選ばれてるし、灰羽くんもどんどん成長している



そして、空井さんは……



あなた「あのセッター……あの人との速攻苦手そう……」



僕に見えないものも空井さんの目は捉えているのだろう



僕よりももっと、もっと先にいる




僕だけ置いてかれるわけにはいかない






ピピーッ



笛の音が鳴り、25音駒21加芽田で第1セットが終わった

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