*あなたside
あきくんこと、国見英は私の幼なじみだ
国見『📞元気だった……?』
あなた「う、ん……そっちは…?」
国見『📞まぁ、ぼちぼち……』
あなた「そ、か…」
私たちの間に沈黙が流れた
あなた「あ、あの……!!」
国見『📞ん…?』
あなた「『関係ない』って言って…勝手に居なくなって……逃げて、ごめんなさい」
あきくんは何も言わなかった
あなた「私さ、自分の努力を認めて貰えなくて……その辛さに耐えられなかった。認めて欲しくて、頑張ったけど、ダメで……あきくんに八つ当たりした。本当にごめんなさい……もう、逃げないから」
嫌われたって、何を言われたって、もう逃げない
国見『📞俺さ、お前といるのが当たり前だと思ってた。だからさ、いなくなってすっげー寂しかった。勝手にいなくなったこと、怒ろうと思ってた』
ぐっと拳を握って、これから浴びるであろう罵倒を待った
国見『📞だけど……今声聞いたら、全部どーでも良くなった。ほんと……また見つけられて良かった……』
あきくんは優しい声でそう言った
あなた「ごめんなさい…」
国見『📞もういーよ、仲直りしよ』
あなた「うん!!」
私たちは、2人で笑った
国見『📞今、どこいんの』
あなた「家」
国見『📞そーじゃなくて……地名』
あなた「東京」
国見『📞宮城には来ねーの?』
あなた「この前行ったよ、部活で」
国見『📞何部?』
あなた「バレー」
国見『📞…またできるようになったんだな』
私は部活のみんなのことを思い浮かべた
あなた「周りのみんなが良い人なんだよ」
国見『📞良かったな』
あなた「うん、あきくんは……?」
国見『📞俺もバレー部、レギュラー入ったよ』
あなた「え、すごいね!!さすが!!」
国見『📞おー、あなたは?レギュラー入った?』
あなた「え?まさか!入れるわけないじゃん笑」
国見『📞そんなレベル高ぇの?』
あなた「たしかに、みんな上手いけど…まず、私女だもん笑」
国見『📞ちょっと待って、バレー部って…もしや……』
あなた「?男バレ!」
国見『📞まじかよ……』
すると、咳払いが聞こえた
金田一『邪魔して悪いが……それ、俺のスマホ』
あ、そういえばそうだった……
国見『📞金田一にお前の連絡先貰うから…また電話する』
あなた「うん!」
国見『📞もしさ、また辛くなったら…我慢するんじゃなくて、俺に言って。俺は、お前のことわかってるから。誰が敵だろうと、俺はずっとお前の味方だから』
あの頃、私にはこの人がいた
きっとあきくんなら、私の話を聞いてくれただろう
私はそんなことにも気が付かなかった
『辛い』って一言でも言っていれば……
だけど、そうしていたら私は東京に来なかった
そしたら、クロくんにも研磨くんにもさよにも……
そして、山本先輩にも出会えていなかった
あなた「うん、ありがと」
私は、みんなのことを思い出してつい笑みがこぼれる
あなた「でもね、こっちにも私の味方がいるんだ。私ね、東京来てよかった!」
国見『📞……そっか。でも、たまにはこっち戻って来いよ』
あなた「うん!じゃあ、そろそろ金田一にスマホ返してあげて笑」
国見『📞ん、じゃあな』
あなた「またね!」
ツーツー
その後、金田一から送られてきたあきくんのアカウントを友達追加した
あなた「さぁ、加芽田商業の分析しよ!!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。