第58話

味方
3,836
2020/10/26 11:54
*あなたside



あきくんこと、国見英は私の幼なじみだ



国見『📞元気だった……?』



あなた「う、ん……そっちは…?」



国見『📞まぁ、ぼちぼち……』



あなた「そ、か…」



私たちの間に沈黙が流れた



あなた「あ、あの……!!」



国見『📞ん…?』



あなた「『関係ない』って言って…勝手に居なくなって……逃げて、ごめんなさい」



あきくんは何も言わなかった



あなた「私さ、自分の努力を認めて貰えなくて……その辛さに耐えられなかった。認めて欲しくて、頑張ったけど、ダメで……あきくんに八つ当たりした。本当にごめんなさい……もう、逃げないから」



嫌われたって、何を言われたって、もう逃げない




国見『📞俺さ、お前といるのが当たり前だと思ってた。だからさ、いなくなってすっげー寂しかった。勝手にいなくなったこと、怒ろうと思ってた』



ぐっと拳を握って、これから浴びるであろう罵倒を待った




国見『📞だけど……今声聞いたら、全部どーでも良くなった。ほんと……また見つけられて良かった……』



あきくんは優しい声でそう言った



あなた「ごめんなさい…」



国見『📞もういーよ、仲直りしよ』



あなた「うん!!」



私たちは、2人で笑った



国見『📞今、どこいんの』



あなた「家」



国見『📞そーじゃなくて……地名』



あなた「東京」



国見『📞宮城こっちには来ねーの?』



あなた「この前行ったよ、部活で」



国見『📞何部?』



あなた「バレー」



国見『📞…またできるようになったんだな』



私は部活のみんなのことを思い浮かべた



あなた「周りのみんなが良い人なんだよ」



国見『📞良かったな』



あなた「うん、あきくんは……?」



国見『📞俺もバレー部、レギュラー入ったよ』



あなた「え、すごいね!!さすが!!」



国見『📞おー、あなたは?レギュラー入った?』



あなた「え?まさか!入れるわけないじゃん笑」



国見『📞そんなレベル高ぇの?』



あなた「たしかに、みんな上手いけど…まず、私女だもん笑」



国見『📞ちょっと待って、バレー部って…もしや……』



あなた「?男バレ!」



国見『📞まじかよ……』



すると、咳払いが聞こえた



金田一『邪魔して悪いが……それ、俺のスマホ



あ、そういえばそうだった……



国見『📞金田一にお前の連絡先貰うから…また電話する』



あなた「うん!」



国見『📞もしさ、また辛くなったら…我慢するんじゃなくて、俺に言って。俺は、お前のことわかってるから。誰が敵だろうと、俺はずっとお前の味方だから』



あの頃、私にはこの人がいた



きっとあきくんなら、私の話を聞いてくれただろう



私はそんなことにも気が付かなかった



『辛い』って一言でも言っていれば……




だけど、そうしていたら私は東京に来なかった



そしたら、クロくんにも研磨くんにもさよにも……



そして、山本先輩にも出会えていなかった



あなた「うん、ありがと」



私は、みんなのことを思い出してつい笑みがこぼれる



あなた「でもね、こっちにも私の味方がいるんだ。私ね、東京来てよかった!」



国見『📞……そっか。でも、たまにはこっち戻って来いよ』



あなた「うん!じゃあ、そろそろ金田一にスマホ返してあげて笑」



国見『📞ん、じゃあな』



あなた「またね!」



ツーツー



その後、金田一から送られてきたあきくんのアカウントを友達追加した




あなた「さぁ、加芽田商業の分析しよ!!」

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