憧れていた外の世界。
私はまだ味わえていない感じがする。
この前山手線に三人で乗ってみたけれど、ちょっとハマっちゃいそうだった。ずっと乗ってるだけでも、面白いんだな。
マジカルランドへ行ける京葉線もあるけれど、お財布にもう少し優しい行き先へ向かう路線に乗ってみたいかな。
念願だった自分の部屋の隅っこに座って、スマホを立ち上げる。検索エンジンで『首都圏 路線』などと検索してみる。さざれちゃんや京香ちゃんには内緒で企画してみたい。
様々な画像と文字が羅列されている中、目に留まったのは『特急ラビュー』の車体の画像だった。
スタイリッシュで、窓も大きく、広々とした席みたいだ。丸っぽくて、可愛いしかっこいい。
検索エンジンで『特急ラビュー』と検索しなおす。停車駅は、最大で池袋、所沢、(西武球場前、)入間市、飯能、横瀬、西武秩父。池袋駅で集合して、秩父のどこかで遊ぶのもいいかもしれないな。いや、ラビューに乗るだけでもいいのかもしれない...。
なんとなく計画の形が見えてきた。
近い休日、池袋駅に集合して、ラビューに乗る。それ以上のことはまた決めればいいかな。
早速さざれちゃんと京香ちゃん、両方にメールを送る。内容は計画のことをざっくり書いたものだった。都合がいい日を聞き出そう。
自分がこうやって計画するなんて、夢にも思っていなかった。
さざれちゃんのおかげで、知らない世界をしれたきがするなぁ。
三人で、もっと電車に乗ろう。
幸せな世界が、ずっと続きますように。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。