第9話

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2022/11/01 11:17
恩田カエデ
……
窓からの光を受けながら、私はベッドに横たわる。
恩田カエデ
……何を…すれば良いのかな
明日来さんへの仕打ち。
何をするかも考えていない。それどころか、やって良いのか迷っているところもある。
恩田カエデ
…大丈夫…大丈夫…
きっと、合ってる…きっと…

私のやっていることは、全てが正義だから。
私が、ルールブック。
恩田カエデ
…そう。大丈夫だから。大丈夫
自分に言い聞かせるように言って、ベッドから出る。

学校への身支度をしようと、立った瞬間だった。
恩田カエデ
……え…?
突然目の前は真っ暗になって、ぐらりと視界は傾いた。
恩田カエデ
っ…ぅあ…
まるで、体が私のことを拒んでいるみたいで
自分は正しいと思ってるけど、本当の心は分からない。
恩田カエデ
なら…どうしろって言うのよ…!
誰も、導いてくれなかった。
助けてくれなかった。
教えてくれなかった。


もう誰も…
恩田カエデ
…そばに……いなかった…
正しい事を正しいって

違う事を違うって

ちゃんと言ってくれる人は、小さい時からいなかった。
恩田カエデ
なのに…なのに…
私が言うのはお門違いかも知れないけれど、私は…


私は…
恩田カエデ
私は…辛かったのに…
そう言った瞬間、何かが溢れた音がした。



なにもかも、思い通り
自分が全ての幼少期

周りには、誰もいなかったけれど
私に歯向かうものも、いなかった。

周りから見れば、思い通りの世界で楽しく見えていたのかも

でも私には、苦痛でしかなかった。

もう…無理だったのに…
恩田カエデ
……はは…もう、いいか
罪悪感なんて、捨てちゃえば良い。
自分が思い通りの世界なんだ。

好きなように生きてみるのも…
恩田カエデ
……タノシイ…よね…?

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