窓からの光を受けながら、私はベッドに横たわる。
明日来さんへの仕打ち。
何をするかも考えていない。それどころか、やって良いのか迷っているところもある。
きっと、合ってる…きっと…
私のやっていることは、全てが正義だから。
私が、ルールブック。
自分に言い聞かせるように言って、ベッドから出る。
学校への身支度をしようと、立った瞬間だった。
突然目の前は真っ暗になって、ぐらりと視界は傾いた。
まるで、体が私のことを拒んでいるみたいで
自分は正しいと思ってるけど、本当の心は分からない。
誰も、導いてくれなかった。
助けてくれなかった。
教えてくれなかった。
もう誰も…
正しい事を正しいって
違う事を違うって
ちゃんと言ってくれる人は、小さい時からいなかった。
私が言うのはお門違いかも知れないけれど、私は…
私は…
そう言った瞬間、何かが溢れた音がした。
なにもかも、思い通り
自分が全ての幼少期
周りには、誰もいなかったけれど
私に歯向かうものも、いなかった。
周りから見れば、思い通りの世界で楽しく見えていたのかも
でも私には、苦痛でしかなかった。
もう…無理だったのに…
罪悪感なんて、捨てちゃえば良い。
自分が思い通りの世界なんだ。
好きなように生きてみるのも…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。