第5話

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2022/09/24 13:26
海南ななか
…ミカ。ごめんね
トイレの前に立つのは、海南ななか。
彼女が立つそのすぐそばで、いじめと言っても良いことが行われていた。

その原因は、半分は彼女、ななかだった。
いじめられている少女は、ななかを庇い、今このようなことが行われている。

だが、自分が悪いと分かってても助けに行くことは出来なかった。
彼女は怖いのだ。

自分も標的にされるかもしれない。
もっと酷いことをされるかもしれない。

そんな事、喜んで行く人などいないだろう。
海南ななか
…ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい!
罪悪感に包まれながら、彼女は学校を後にした。
帰り道、殆どが放心状態であった。









海南ななか
……あー…もう…私って、本当酷い人だな…
自傷気味に笑い、ベットに倒れ込む。
何も、やる気が起きてこなかった。
海南ななか
……親友を見捨てて帰るなんて、いくらなんでも最低でしょ。私
これほどない罪悪感に飲まれ、もう何も出来なかった。
海南ななか
……こんな、私みたいな最低人間がのうのうと生きてるって、本当酷いな
泣いてはいけないはずなのに、涙が出てくる。
それは、どう足掻いても止められない涙だった。
海南ななか
………
眠たくなってくると、ある思いが頭をよぎる。
海南ななか
夢…の……中では…私みたいな……最低人間を…ちゃんと裁いてくれないかな…
こんな私が、なにも罰を受けないのはおかしい。
どうか、叶わない願いだとしても……
海南ななか
…夢の中で、ミカとの立場を変われますように……ぃ…
こんなの、罪滅ぼしにもならない。
ただの、自己満足のようなものだ。

そう。自己満足だからこそ、受けなきゃいけない。

そうじゃないと……
海南ななか
…罪悪感で………私…死んじゃうよ…
ごめんなさい。ごめんなさい。
いくら謝っても、本人には届かない。

そのまま、何も無いようになるだけ。
ただ…

このままだと……

私は、罪悪感に殺されてしまう。
自分勝手だとは思う。

ただ、どうしても無理なんだ。

親友がどれほど傷つけられても助けられない自分が憎くて。
自分に標的が向かないようにしている私が醜くて。

もう……死んじゃいたい気持ちだった。
海南ななか
愛されなくて良いです。幸せじゃなくて良いです。楽しくなくて良いです。罵られて良いです。暴力を振るわれても良いです。友達がいなくなっても良いです
「最低だね」
「報いを受けてよ」
「なんで…助けてくれないのよ!」
海南ななか
…優しい…言葉が…………私への…棘なのよ…
優しくしなくて良いから…


報いを…
報いを…報いを受けさせてください。

お願いします。

お願いします。
海南ななか
……なんでも……する……か…ら…

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