第4話

4
505
2022/09/24 13:08
恩田カエデ
……はは……あはははは……あははははは!
嘲笑う恩田さんは、今までで一番喜んでいた。
明日来ミカ
……
恩田カエデ
こう言うことってあるのね!すごい。神様は本当にいるのよ!
えぇ。神様はいるだろうね。
あなたの中にいる…
恩田カエデ
あははは!笑い過ぎてお腹が痛いわ!
死神っていう不幸の神様は。
明日来ミカ
私…に……なにするの…
恩田カエデ
何するって?んー…じゃあ、明日決めることにするわ!特別に、今日だけは帰らせてあげる
そう言うと、恩田さんは一足先にトイレを出た。
明日来ミカ
あ……あぁ……あ…あ…あああああああ…!
もう、私にできることはなかった。

絶望のレールを目の前に敷かれて、レールの周りは全部暗闇。
絶望を進むしかない状況に、できることなどなかったんだ。
明日来ミカ
…ああ…あ……あぁぁああ……
呂律が回らない。
体も動かない。

ただ、緊張の糸だけが、体を引っ張っていた。











いつの間に家に帰ったのか、わからない。

私は自分のベットの上で天井を見ていた。
周りから見たら、どんな図になっているんだろう。

すると、ずっと…ずっと我慢していたものが、私から出てきた。

頬が濡れる。
目の前が霞む。

何処からか、声がする。
叫んでいるような、苦しそうな声。


……………………あ


…………私の声だ。これ。
明日来ミカ
あああああああああああああああああああ!!
喉が切れるほど痛い。
とても、熱くなる。

いつのまにか声は出なくなって、息だけが口から出るようになった。

呼吸をしているはずなのに苦しく。
悲しく。
生きている心地がしなくて。

自分すらも、よくわからなくて。

消えそうにもなる。
明日来ミカ
…………………
でも…
【消えそう】なだけで、消える訳ではない。

もしかしたら、このまま消える方が楽なのかもしれないのに。

あぁ…神様は……

神様は…
明日来ミカ
……なんで…不公平なの…!
どれだけ助けを求めても、結局は空気に溶けて言葉自体無くなって行く。
なら…

なら、助けを求める価値ってなに?
明日来ミカ
…疲れた。消えたい。死にたい。楽になりたい。自由になりたい。楽しく生きたい。みんなで笑い合いたい。幸せになりたい。愛されたい
「ねえ、大丈夫?」
「味方だよ」
「大好き!」





…その言葉が………あれ…ば…

あれば……
明日来ミカ
私…幸せになれるの………に……
いつのまにか、睡魔が襲ってきて寝そうになる。
あぁ……どうか……

どうか、夢の中では…夢の中では…

夢の、中では!
明日来ミカ
…愛されて…楽しく………過ごせますように…
お願いだから。
一人きりの時だけは…

誰も…いない時だけは…

私だけの…幸せな空間に入れますように…
楽しく過ごせます…ように…

プリ小説オーディオドラマ