第6話

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2022/09/25 00:12
恩田カエデ
これで良かったはずよ。明日来さんが、ノートをとっていないのが悪いの
学校からの帰り道、明日来さんにどう言うことをしてもらうか考えている途中。
少し。ほんの少しだけ、迷いがあった。

…これで、良かったのかしら。
私のやったことは、あっていた?


小さい頃は、私は周りのことを何も決められなくてずっと家族や友達に永遠聞いていた。

「これであってたの?」
「こうで大丈夫かな?」

必ず周りの人は、こう言ってたんだ。

「うん。絶対それであってるよ」
「カエデちゃんがそう言うならあってるよ」

だから…


…何を聞いても無駄だったの。
恩田カエデ
それなら、もう良いわ。
私が決めることが、全部あってるの。
恩田カエデ
……それが、間違ったことだとしても
思い込むような形で決めたけど、大丈夫。
もう、怖いものは無いから…
恩田カエデ
大事なものが無くなってる今、守る物なんてないもの
……そう。

もう、良いんだ。

私が全てだから。
私のやったことがあっているから。

学校の私は、風。
風で、みんなを動かす。

風に逆らう風見鶏なんて、風見鶏じゃないわ。
明日も明後日も、風見鶏としてみんなは入れば良いの。
恩田カエデ
そうすれば、何もしないから。
今までも、私に逆らった者はいた。
その子達は、いつしか学校に来なくなった。

学校に来なくなった者は……
恩田カエデ
…………なんであんなに、楽しく過ごしてるのかしら
とても、楽しそうに過ごしてて。
もう自分に困るものはないとでも言いたげで。

それが……

それが…
恩田カエデ
………羨ましくなんて、ない
大丈夫。大丈夫。
私は教室のみんなを…
恩田カエデ
従わせてれば良いだけだから
私が…悪いんじゃ無い。
学校が決めたことだから。

でも……
恩田カエデ
……女王様の役は、疲れるものなのよ
こんなこと言っても、周りの人には分からないだろうけど。

「カエデちゃん」
「カエデ!」
「カエデちゃん。一緒に遊ぼ?」







「恩田さん。おはようございます」
「恩田さん」
「恩田さん。これがノートです」







あれ……?
恩田カエデ
私の名前を…

いつのまにみんなは…

私を、苗字で呼ぶようになって。
私を、遊びに誘わなくなって。
私を、恐ろしい目で見るようになったんだっけ…?
恩田カエデ
……考え…すぎよね…
私には友達がちゃんといるもの。
きっと今だって、勉強が忙しいからみんなが遊びに誘わないだけ。

きっと。

きっと…

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