なんにも、言えない。
紫耀の顔をちらっと見れば、睨んだような鋭い目付きでいる。
完全に、勘違いされてる。
海人が悪いわけじゃない。
うちが無防備だったのが、悪い。
海人の気持ちに、気付くこともできなかった。
紫耀のことしか…、自分のことしか…、考えてなかった。
でも…
紫耀は今、なにを考えてるのかな。
誤解したまま?
それなら、、ちゃんと、伝えなきゃいけない。
2人が部屋をでていき、ドアを閉めた。
紫耀は、恋愛として見てるんだよ。
うちは、紫耀が大好きなんだよ。
そうやって、言えなかった…
まだそんな告白、できる勇気もない。
それより、きずつかない…そう言ったよね、紫耀は
うちのこと、恋愛として見てないってことでしょ…、?
こんなんじゃ、フラれる決定じゃん…
今、紫耀に押し倒されてるのは、ドキドキしてるにきまってる。
だって、好きだから。
こんな近くにいるだけで、緊張するから。
海人のときは、違った。
驚きと、パニックしか頭になくて…
必死に とめよう、それでいっぱいだった。
少しか、うちの気持ち、伝わった?
これでも、精一杯頑張ってるんだよ。
気づいてよ、紫耀
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。