紫耀side
なつきの様子が気になって、うずうずしてる。
わがまま言って、あなたを追いかけに外へ出た
出たはいいけど、あなたがどこにいるかわからん
探して探して、探しまくった…
けど、どこにもいない…
俺が最後に向かった先は、あの公園
ほら、やっぱりいた…
あなたはいつも、
この話をする時、切なさそうな顔をして、話すんだ
『〇〇公園は、うちの大切な場所なんだぁ…
あそこに行けば、悲しくなるけど、勇気にもなる。…あの人との、思い出の所。』
そう言って、俺の顔を見れば、 ニコッ て、作り笑いするんだ
この謎は、ずっと聞かずにいた。
だって、聞けなかったから。
あなたが悲しむから。切ない顔をするから。
けど…
流星って人と、
よくここに居たから。別れちゃったけど、思い出の場所だから。
だから、切ない顔をしてでも、思い出してたんだ。
きっと、友達に戻ろって、言ってるはず。
なのに…
俺の目に映ったのは、あなたと流星が、キスをしてた所。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。