あなたside
Hey!Say!JUMPの皆とカラオケに行ってから6日。
12月31日。
実家に帰ってくるなり、親から「大学はどう?」「お友達とは仲良くできてるの?」なんていう質問をされた。小学生じゃないんだから。
適当な返事をして、久しぶりにお母さんの手料理を味わう。やっぱりお母さんの手料理って美味しい。
親の数字は父親が「12792」母親が「12905」
父親の方が先に死ぬんだ、なんて考える。
とは言っても平均寿命以上生きるけど。
毎年恒例の紅白歌合戦。確かHey!Say!JUMPも出るはず。
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Hey!Say!JUMPの皆だ。
つい、この前一緒に居た、Hey!Say!JUMP。
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名曲「上を向いて歩こう」。昭和の名曲を平成生まれが令和に歌う。
よく考えたら凄いことだよな。なんて考えてたらポップ調になって、Hey!Say!JUMPっぽくなる。
本当に凄い人達なんだ。
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ジャニーズカウントダウン?
そんなのあったんだ。
本当に、私はジャニーズを知らなかったんだと実感させられる。
お母さんがチャンネルを変えると、大人数の人がところ狭しと入ったドームが映った。
誰かは分からない人達が歌を歌っている。
きっとこの人たちもジャニーズなんだろうな。
そんなのんきな事を考えながら見ていると、さっきまで紅白歌合戦に出ていたはずのHey!Say!JUMPが登場した。
唯一分かるグループ。登場するなり、会場の歓声が上がる。
そうか、この大人数の中にHey!Say!JUMPのファンが居るんだ。
この人達はわざわざ年越しという瞬間を家族ではなく、ジャニーズと過ごしたいと思う人達。
とてもジャニーズ思いのファンの人達。
もちろん、ここにいる人以外にも来たかった人はいるはず。
Hey!Say!JUMPの猛烈なファンだっているはず。
私は、ここまでしてHey!Say!JUMPに会いたいと思うだろうか。
きっと思わない。それくらいの立ち位置にいる。
なのに、そんな私が、Hey!Say!JUMPという何万人ものファンを持つグループとクリスマスを過ごした。
ものすごく罪悪感だ。Hey!Say!JUMPの皆にも、ファンの方にも失礼な気がする。
さらに言えば、彼らは残りが少ない。
貴重な一日を私のために使ってくれた。
本当に申し訳ない。
そんな私の気持ちなんて知らずに時間は進む。
あともう少しで年越し。
カウントダウンが始まった。
みんなの頭の上の数字が減る。
テレビでは見えない。けど、確実に減っていく。
3、
2、
1、
0
テレビの向こうで彼らは言った
「Happy New Year!」
彼らが命を落とすまで、私は何が出来る?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。