あなたside
一瞬、目を疑った。
だって、彼女の数字は「25182」のはずなのに、
「25182」という数字が消えそうになり、それとともに、「583」という数字がうっすらと見えていたから。
目がおかしくなったのか。目を瞑ってから、もう一度、落ち着いた状態で数字を見る。
どうやら、私の目は正常のようで、彼女の数字は「583」に変わろうとしている。
おかしい。こんなこと今までなかったのに。
だいたい、なんで変わりそうになってるの……?
ライブが関係している?
いや、当落ということが関係している?
……だめだ、分からない。
前例がないから何も思い付かない…。
あ、「582」の数字が強まってる……。
てことは、もしかして……!
ほぼ「582」だけがみえてる……
やっぱりそうだ。このライブに行くことを選ぶと、数字が小さくなるんだ。
どうにかしてライブに行かせないようにしないと、希望の寿命が縮む…
とりあえず、関係ない話をして、気を反らすしかないな。
これでなんとか気を反らせたかな。
さっきの話がなんかの役に立てば良いけど……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。