第22話

変化の前触れ
590
2020/05/30 04:37
あなたside

1月7日

今日は久しぶりの大学か……


冬休みなんてあったのかなってくらいあっという間に過ぎて、雪が降る中、大学へと向かう。


まだ、みんなを救う方法は見つかってない。

桜木 希望
おっはー!
あなた

お、おはよー

相変わらずハイテンションの彼女は、満面の笑みで近寄ってきた。

頭上の「25182」という数字も相変わらずのよう。
桜木 希望
うふふ
あなた

え、なに、その顔。

桜木 希望
実はー……
桜木 希望
今日は、私の大好きなバンドのライブの当落日なんです!
あなた

あぁ、そう。

桜木 希望
反応うっす!
バンド名も分かんないし、特に興味は湧かないし。

そりゃ、こんな反応になるでしょ。
あなた

いつ分かるの。

桜木 希望
あと一時間後くらい!
あなた

へー、当たるといいね。

桜木 希望
もー、ちょっとは興味持ってよー!
あなた

基本的に何かにそこまで興味は持たない人間なもんで。

私は希望ほど、エネルギッシュじゃないし。

Hey!Say!JUMPのライブとかなら興味持つかも……

……んー、ないか。

_______________________
桜木 希望
あー緊張する緊張する緊張する
あなた

うるさい

桜木 希望
だって!あと2分後には分かるんだよ!?
あなた

あー、はいはい

そんなに行きたいんだ。すごい。

私、ライブとか行ったことないもんな~


ライブってどんな感じなんだろ。


あー、あれか。カウントコンサートのドームみたいな感じか。

てことは、私の場合、結構遠くの席になるとみんなの数字しか見えないんじゃない?

うわー絶対酔うじゃん。ライブどころじゃないな。
出演者見えなくなるじゃん。

出演者が見えないライブって、もはやなに?


ま、そんな事を考えたって、私には無縁の話な訳で
気にしたってしょうがない。


そうこうしているうちに、希望の顔色が変わった。

この感じは……
桜木 希望
どうしよう……あなた。
あなた

なにが?

桜木 希望
……当たっちゃった~!
うん。だろうね。その顔は。
桜木 希望
あー、もうどうしよう!え、どんな格好しようかな!?あ、ライブ限定のTシャツ売られるから、それ着て、あ~めっちゃ楽しみ!
ただでさえテンション高いのに、ライブに行ったら彼女はどんな風になるんだろう。

予想できない。

ま、楽しむことは良いことだし、彼女にとっても、忘れられない大切な日になるだろうな。

そんな事を考えてると、ふと、気付いた事がある。



















明らかに、さっきと違う。



希望の頭上の数字。


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