あなたside
1月7日
今日は久しぶりの大学か……
冬休みなんてあったのかなってくらいあっという間に過ぎて、雪が降る中、大学へと向かう。
まだ、みんなを救う方法は見つかってない。
相変わらずハイテンションの彼女は、満面の笑みで近寄ってきた。
頭上の「25182」という数字も相変わらずのよう。
バンド名も分かんないし、特に興味は湧かないし。
そりゃ、こんな反応になるでしょ。
私は希望ほど、エネルギッシュじゃないし。
Hey!Say!JUMPのライブとかなら興味持つかも……
……んー、ないか。
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そんなに行きたいんだ。すごい。
私、ライブとか行ったことないもんな~
ライブってどんな感じなんだろ。
あー、あれか。カウントコンサートのドームみたいな感じか。
てことは、私の場合、結構遠くの席になるとみんなの数字しか見えないんじゃない?
うわー絶対酔うじゃん。ライブどころじゃないな。
出演者見えなくなるじゃん。
出演者が見えないライブって、もはやなに?
ま、そんな事を考えたって、私には無縁の話な訳で
気にしたってしょうがない。
そうこうしているうちに、希望の顔色が変わった。
この感じは……
うん。だろうね。その顔は。
ただでさえテンション高いのに、ライブに行ったら彼女はどんな風になるんだろう。
予想できない。
ま、楽しむことは良いことだし、彼女にとっても、忘れられない大切な日になるだろうな。
そんな事を考えてると、ふと、気付いた事がある。
明らかに、さっきと違う。
希望の頭上の数字。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!