遥菜と翔は、遥菜が小学3年生、翔が高校2年生のときに出会った。
当時友達が少なくて遊ぶ相手がいなかった遥菜は、翔に出会ってからの毎日がとても楽しかった。
翔は毎日、遥菜と最初に出会った公園に遥菜を迎えに来て、翔の家に誘った。
高校生で勉強も大変なはずだった。それでも、毎日遥菜の相手をしてくれた。
翔は、本当に優しい人だった。
ゆいはいつも以上に食い付きがいい。
遥菜は、ゆいをできるだけ自分に近づかせて、翔のことを話した。
ゆいが突然大きな声を出したので、教室にいる全員がゆいと遥菜に視線を向けた。
2人とも誤魔化しは下手だけれど、なんとか教室は元の空気に戻った。
ゆいは両手で顔を覆って、1人ではしゃいでいる。
ゆいからすれば、教師×生徒は憧れのシチュエーションらしい。
ゆいは小声で呟いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!