第4話

目を逸らす
13
2019/08/23 22:22
駅前の本屋で
『死者と海辺』を買ってから
自宅へと帰った。

何処にでもあるような
普通のアパートで
一人暮らしでは十分な広さだと思う。
東雲 高
(風呂入ってから
寝る前に読むか…






















その本は
よくある恋愛系の小説だった。

しかし
たまに謎解きなどの要素があり、
楽しめるような本だった。

東雲 高
(確かに
女性はこういうのを好むよな
まだ
そんなに読めていない本を
そっと閉じ、眠りへとついた_


















朝いつも通りに目覚めて
準備をする。
本も手にし
時間通りに家を留守にした。
駅へと向かう。
東雲 高
(今日は
彼女と同じに
通勤中は本の続きでも読もう。
俺は電車に乗ると
早速本のページをめくり始めた。
車掌(アナウンス)
次は品川_
品川_
いつも通り
彼女と会う駅に着く。
彼女もまた
所定位置でいつもの本を読んでいる。
また彼女のことを見てしまう。

何故なのだろう。

今までこんな事はなかった。
たまに
微かに目が合う時があった。
そそくさと
まるで何もなかったかのように
俺は目を逸らした。

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