試合後、すぐに私は応援に来ていた親の車で
近くの総合病院に向かうことになった。
1人で立ち上がるなんて考えられない
くらいの激痛が私を襲った。
病院に到着後、車椅子で緊急受付に行き、
整形外科の先生に診てもらうことになった。
前十字靭帯損傷。
バレーやバスケの世界ではよくあることだ。
しかし完全復活するまでものすごく時間がかかる。
そのため犠牲になるものは多い。
しばらくは松葉杖生活だ。
私たちの最後の夏は
県予選3位という納得のいかない結果で終わった。
こんな私が続けたところで
チームメイトが納得するのか……??
高校でバレーをやっても、
また同じことを繰り返すんじゃないか…??
これからは受験生だ。
今までバレーに費やした分、勉強も頑張らなくては。
その場にいた父と母から
「えっ……」
と小さく声をもらしたのが聴こえた。
覚悟は出来た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。