桜散る入学式。菫中学校にはたくさんの生徒が集まっていた。
この中学校は3つの小学校からの生徒が入学する。
言うことを聞かないように鳴る心臓を抑え、教室に入る。
「…ここか。」
席に座ると、早速隣の男子が話しかけてきた。
知らない人は苦手だ。できればやめて欲しい。そんな願いも届かず、
テンションが高い。最も苦手なやつだ。
「君、どこ小?俺は桜小。」
ああ。ほんと苦手なタイプだ。関わりたくないが、無視も良くない。
「…百合小。」
まず名前も知らない奴に聞くか。
「…名前は?」
「えっ?何?」
人の話聞いとけよ。正真正銘のアホか。
「名前はなんて言うの?」
「俺は駿!よろしく!」
はぁ。疲れる。こうゆうやつが1番疲れる。
そんな会話を続けていると、駿の横から大人しそうな男子が出てきた。
「ごめんなさい。こいつアホなんです。僕は想です。よろしく。」
あ、一番楽なタイプだ。この子とは仲良くしよう。
想「君の名前は?」
凛「私は凛です。よろしく。」
そこに先生が入ってきて、中学校生活が始まった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。