第17話

過去
46
2018/09/17 21:54
ユキナ・エテルニテ
あなた達の名前は、ソラとレオルよ
レイクス・エテルニテ
2人は宝物だ!
私とレオルは、ユキナ・エテルニテとレイクス・エテルニテの間に産まれた双子だった。
昔のソラ
ねぇお母さん
ユキナ・エテルニテ
なぁに?
昔のソラ
あのね、大人の人が、皆ソラの事、呪いの子だって言ってるの
私がそう言うと、お母さんは急に真剣な表情になって言った。
ユキナ・エテルニテ
あのね、ソラ。あなたは呪われてなんかいない。少し特別な魔力を持っているだけなのよ。
昔のソラ
そうなの?
ユキナ・エテルニテ
うん♪
大丈夫!お母さんもお父さんもレオルも、皆ソラの味方だからね?
昔のソラ
わかった!
レイクス・エテルニテ
ただいまー
昔のレオル
あっ、お父さん!おかーさーん!お父さん帰ってきたよ!!
昔のソラ
あっ、お父さん!抱っこしてー!
レイクス・エテルニテ
おっ、するか?ほらレオルも……
行くぞ?せーの!それっ!
昔のソラ
きゃーー!高ーい!!
昔のレオル
お父さん!もっともっと!!
ユキナ・エテルニテ
お帰りー!
あなたたちー!そろそろご飯にするわよー!
昔のレオル
はーい!
昔のソラ
はーい!
レイクス・エテルニテ
はーい!w
ユキナ・エテルニテ
あら、私には3人も子供がいたのかしら?
昔のソラ
お父さん子供みたーい!
昔のレオル
ほんとほんと!!
私が呪いの子でも、私達の家族は普通の、幸せな家族だった。

──あの時までは……




街の住人
ねぇ、あの子よね?呪いの子って……
街の住人
あら、ホントだわ。
あの子の近くにいると、不幸が起こるらしいわよ?
街の住人
本当?やだ、私達まで呪われてしまうわ!
.









街の住人
やーい!お前、呪われてるんだろ?
家から出てくるんじゃねーよ!!
街の住人
ほんとだよな!俺達が呪われたらどうすんだよ!


ガンッ




昔のソラ
うっ………


私は思いっきり石を当てられ、小さく声を出してしまう。





ガンッ バンッ




また、石を投げられる。

昔のソラ
うわぁぁん!痛いよぉぉ!


まだ5歳にもならなかった私は、泣き出してしまった。


昔のレオル
おいっ!おまえら!
ソラに何してんだ!!
街の住人
ソラの兄妹か?
お前も呪われねぇように、せいぜい気ぃつけとけよー?
街の住人
ギャハハハ!!
そう言って、そいつらはどこかへ行ってしまった。
昔のレオル
ソラ!大丈夫か?
血が出てる!
昔のソラ
うっ……ひっく…
昔のレオル
ほら、帰ろう?
昔のソラ
うん……



──────────────────────

ユキナ・エテルニテ
ソラ!?どうしたのその怪我!?
昔のソラ
歩いてたら急に何個も石投げられた……
ユキナ・エテルニテ
………っ……
お母さんはただ、私とレオルを抱きしめて、私達から見えないように泣いていた。
ユキナ・エテルニテ
ごめ……ん……ね…





───────────────────────

バンッバンッ バキッ


突然鳴り響いた物騒な音と共に、家の玄関が壊された。
イルエの住人
呪いの子を殺せ!
我らイルエの村に災いが振りかからぬうちにな!
その時家には私とお母さんしかおらず、丁度リビングで本を読んでいる時だった事を、今でも鮮明に覚えている。
ユキナ・エテルニテ
!?何なんですかあなたたちは!
イルエの住人
イルエの住人だ!
我らの村の名にかけて呪いの子を討伐する!
ユキナ・エテルニテ
なっ…そんな事させるものですか!


見たこともないような怖い顔でお母さんは戦っていたのを、今でもはっきりと覚えている。


そして

お母さんは

私の目の前で

無残に殺された

昔のソラ
あ……嫌……おかあ…さん………
イルエの住人
よし、これで後はこいつを殺すだけだ
昔のソラ
あ…う……ぐ…うわぁぁぁああぁ!!!


私の体の内側から、とてつもない力が溢れ出てくるのを感じた。

溢れ出た魔力こそ、私が呪いの子と呼ばれた原因であり、今までお母さんが封印する事で抑えていた闇の魔力だった。


イルエの住人
うっ!?何だ!この魔力は!!
昔のソラ
……す……してやる………殺してやる……!
イルエの住人
うわぁぁ!?やめろ!やめてくれぇぇぇ!!



───────────────────────


そして私は
その場にいた、お母さんを殺したイルエの住人を一人残らず殺した。

昔のソラ
はぁっ……はぁっ……


私の両手から血が滴り落ちる。


目の前に転がる血まみれの武器、そして人。




───────────────────────
レイクス・エテルニテ
なっ…これは……
昔のレオル
お父さん……これ…なに…?
レイクス・エテルニテ
ソラ!いるのか!?
昔のソラ
おとう…さん……レオル……
お父さんは今日の朝まで平和だったリビングを眺め、絶句していた。

ユキナ・エテルニテ
ソラ…生きて……

そして、私とレオルを抱き抱えて、家を飛びたし走り出した。

まだ幼かったレオルには刺激が強すぎたようで、一言も話さなかった。


レイクス・エテルニテ
二人とも…よく聞いてくれ。
父の声は震えていた。
レイクス・エテルニテ
今から、お前達の記憶を消す。
昔のソラ
え…
レイクス・エテルニテ
記憶を消して、魔力を封印するんだ…!
レイクス・エテルニテ
本当に力が必要になった時、再びお前達は出会う……!!
昔のレオル
………
レイクス・エテルニテ
そして、本当に覚醒するためには、どちらか1人が、犠牲にならなければいけないんだ……



父は、泣いていた。


それは
妻を亡くし
まだ幼い子供たちを突き放し
必ずどちらかを犠牲にしなくてはならない父親の涙だった。

レイクス・エテルニテ
お前達……ごめんな……





───────────────────────
作者
皆様どうも!作者です!
昔のソラ
こんにちはー!
昔のレオル
こんちわー!
ユキナ・エテルニテ
こらこら、はしゃいでちゃダメよ?
レイクス・エテルニテ
まぁ、いいんじゃないか?
作者
特別ゲストで、エテルニテ家の皆にきてもらいました!
昔のソラ
作者さん!ソラ達のこと知ってるの?
作者
もっちろん!
レイクス・エテルニテ
この人の頭の中で俺達は生まれたんだぞ?
昔のレオル
え!?でもこの人頭悪そう……
ユキナ・エテルニテ
こら!レオル!すみません、いつもこんな感じで……
作者
ああ、お気になさらず……(未来のこの子達知ってるしね…)
昔のソラ
みんな!次のお話も見てね!
昔のレオル
ばいばーい!!

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