私とレオルは、ユキナ・エテルニテとレイクス・エテルニテの間に産まれた双子だった。
私がそう言うと、お母さんは急に真剣な表情になって言った。
私が呪いの子でも、私達の家族は普通の、幸せな家族だった。
──あの時までは……
.
ガンッ
私は思いっきり石を当てられ、小さく声を出してしまう。
ガンッ バンッ
また、石を投げられる。
まだ5歳にもならなかった私は、泣き出してしまった。
そう言って、そいつらはどこかへ行ってしまった。
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お母さんはただ、私とレオルを抱きしめて、私達から見えないように泣いていた。
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バンッバンッ バキッ
突然鳴り響いた物騒な音と共に、家の玄関が壊された。
その時家には私とお母さんしかおらず、丁度リビングで本を読んでいる時だった事を、今でも鮮明に覚えている。
見たこともないような怖い顔でお母さんは戦っていたのを、今でもはっきりと覚えている。
そして
お母さんは
私の目の前で
無残に殺された
私の体の内側から、とてつもない力が溢れ出てくるのを感じた。
溢れ出た魔力こそ、私が呪いの子と呼ばれた原因であり、今までお母さんが封印する事で抑えていた闇の魔力だった。
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そして私は
その場にいた、お母さんを殺したイルエの住人を一人残らず殺した。
私の両手から血が滴り落ちる。
目の前に転がる血まみれの武器、そして人。
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お父さんは今日の朝まで平和だったリビングを眺め、絶句していた。
そして、私とレオルを抱き抱えて、家を飛びたし走り出した。
まだ幼かったレオルには刺激が強すぎたようで、一言も話さなかった。
父の声は震えていた。
父は、泣いていた。
それは
妻を亡くし
まだ幼い子供たちを突き放し
必ずどちらかを犠牲にしなくてはならない父親の涙だった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。