心地よい光、が無い無限都市の朝。
重たい瞼を持ち上げ、前を見る。
私の目の前にあったのは。
レオルの気持ちよさそうな寝顔。
そうだ、昨日からレオルと同じ部屋で寝ることになったんだった
動こうとすると、レオルの腕が私を抱きしめていることにようやく気がついた。
レオルはまだ眠いよう。
父親が居ない私は男の子と一緒の部屋で寝るのは初めて。
どうしたらいいのか分からず、硬直してしまっている。
ていうかこの状況まずいんじゃない?
なんていうか、こう、男の子に抱きつかれて寝てるって、社会的に大丈夫?
とか思ってたらレオルが寝ぼけて起きてきた。
5秒ほどして、レオルがハッとした表情になる。ようやく自分が私のことを抱きしめていることに気がついたようだ。
レオルの頬が赤くなる。
それをみて、何だか笑いが込み上げてきた。
レオルも笑いが込み上げてきたようだ。
ひとしきり笑った私達は、リンカたちがいるリビングに向かった。
──朝食──
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!