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第11話

のこった口紅 陸(N)
281
2022/05/09 14:25
R
大丈夫だよ、泣かないで笑
そう言って、頭を撫でて涙を拭ってくれたりほ先輩の手はとても優しかった



そんな温もりに、安心した














R
やっと笑ってくれた
自然と笑顔になれたんだろう



優しい温もりに包まれたから
R
やっぱ、西さんは笑顔が似合う
N
先輩…ちょっとクサイです笑
R
うっさいなー笑
ほんとのことなんだからいいんだよ笑








少しムッとしながら笑うりほ先輩は、会社で知らない別人だった




___こんな表情するんだ、そう心の中で思ったら伝えたくなった
N
先輩好きです…
R
私も好きだよ、後輩じゃなく恋人として
N
私もです…











____グー


ちょっと大きめなお腹の音が響いた


顔を見合わせて笑う
R
ふふっ笑
お腹すいたね!
西さん全然食べれてないもんね
N
簡単なもので良かったら作りますよ?
R
いいの?
N
全然いいですよ!
冷蔵庫見ていいですか?
R
………あ
N
先輩、これ………?
見事に冷蔵庫はお酒やおつまみばっかりだった




開けた扉を閉めて、2人して笑った
R
だから言ったじゃん。料理しないって笑
コンビニ行こっか笑
N
ですね笑
少し呆れてしまったけど、愛おしく思えた







R
あ!その前に…
N
…………っ!!








サッと離れた唇






そして起き上がるりほ先輩の身体

R
支度してくるね
ちょっと待ってて
そう言ってパタパタとスリッパの音を響かせリビングを離れるりほ先輩


























両耳が熱い


テーブルにあった自分の携帯で、自分の顔を確認すると







N
口紅ちょっと残ってる…
はずっ…
R
んー?なんか言った?
パタパタとまたリビングに戻ってきたりほ先輩に少し意地悪
N
先輩、先輩!
R
どした?










___のこった口紅を、りほ先輩の唇に1つ落とした



好きと呟いてから

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