第7話

のこった口紅 肆(N)
238
2022/05/09 14:19







N
…すみません。
無言になったのを誤魔化す様に、少し苦手なビールを二口飲んだ





R
もしかしてビールってかお酒苦手?笑
N
……すみません。実はお酒弱くて笑
なんでバレたんだろう、なんて思いながらも、不味そうにしちゃったかな?なんて少し考えた


R
コーラでも頼む?
N
大丈夫です。飲みます!
同じものを飲みたくて必死だったと思う


残ってるビールをグイッと飲んだ




































R
大丈夫??


心地よい声と温かさ、甘い香りに包まれ私は目をさました
N
R
起きた?
N
………ここって…?
思い出そうとすると、ズキンと痛む頭


キョロキョロ見渡し見慣れない部屋に私の顔色はサーッと冷めていくのが分かった











土下座する勢いで、体を起こすと









R
ふふっ
無理するからだよ笑
大丈夫?良かったね。明日休みで笑
N
ほんっと、すみません!!!
お金も払ってないし、そもそも私抱えて帰るの大変でしたよね
ほんとすみません!すみませんすみません!
R

謝りすぎ!そもそもお金はいらないし、西さん軽かったから全然余裕だよ笑
とりあえず水飲む??飲むならこれどうぞ
渡されたペットボトルに口を付け飲みながらりほ先輩を見ると、会社で束ねてた髪の毛はおろされていて、見慣れたスーツから大きめなスエットに着替えられていた



R
もう遅いから、もし良ければ泊まっていきな?
嫌じゃなかったらこれ使って?
そう言いながら、色違いのスエットを渡された




















恋人は居なくても、きっとここに来る人は居るんだろう


そう考えると、チクッと胸が痛む






N
……帰ります
我ながら、大人気ないと思った


でも、嫌だった















R
どうかした?
なにか嫌だった?
N
…先輩、恋人居ないって言ってましたよね?
R
うん、居ないよ?
N
…うそだ
言ってて悲しくなった




















どうした、私


落ち着け、私











初めての感情で、なにがなんだか分からなかった

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