・主人公と佐久間さんは幼馴染で同い年(25)
・主人公は東京に佐久間さんは地元の実家に住む
・職業は主人公「絵描き」、佐久間さん「アニメ会社のサラリーマン」
佐久間side
俺の実家の部屋で大きな声で子供のように泣くあなた
この子は俺の赤ちゃんの頃からの幼馴染で
俺の初恋相手でそれもはや20年
昔は俺が彼女に慰められていた側だった
けど、今は違う
止まらない涙は俺の服を濡らす
この時の俺はあなたに何も言う訳でもなく、ただただ抱き締める
彼女は誰よりもプライドが高いから
そんな彼女の姿は今はない
だってあなたも泣くことぐらい人間だからある
俺だけに見せ、他の人には見せないその姿
儚くて、守りたくなる
下から聞こえるテレビから聞こえる男性の声
これが理由
あなたは売れっ子の絵描きで幅広い年齢層、子供から高齢者までファンがいる
その才能は小さい頃からで学生時代何度も賞をとっていた
笑顔いっぱいのその表情は曇りひとつない、純粋に絵を描くのが好きという感情で溢れていた
だけど今は、悩み
俺に助けを求めてここに来た
俺はある提案をした
俺たちが子供の頃に遊んだ公園にあなたを誘った理由はここが将来の夢を決めた場所だから
公園には俺たちと男女の子供の姿だけあった
ここの管理人の人が子供達が自由に絵を描けるようにって設置した壁は今まで色んな人達が将来の夢や希望、ただ自分の思い描く好きな絵を描いていった
(絵下手ですみません
着いてもまだ泣いていたあなただったけど
ちょうどあの頃の俺たちぐらいの歳の子達
ニコニコ笑ってる2人は俺たちの姿に似ていた
声を掛けてあなたがうなづいたのを確認した2人は女の子の方が手を引いて駆けて行った
あれも同じ
”わたしはえかきになる!
”ぼくはアニメのおしごとをする!
それを見て笑うあなた
涙を拭いたあなたはあの頃のように笑った
やべ…心の中で言ってるつもりだったのに声に出してた
もういいや!言おう!俺
嗚呼終わったな…俺の初恋
俺たちが書いたユメの続き
“自分の好きな絵がいつまでも描けますように
”あなたが描くアニメのスタッフになれますように
うん、あなたなら大丈夫
大丈夫だよ 見上げればもう
大丈夫 ほら 七色の橋
やっと同じ空の下で笑えるね
大丈夫だよ どこにもいかない
また走り出す時は君といっしょ
壁に刻まれた落書きはダレカの字によく似てた
二つの空がやっとやっと一つになって
僕らを走らせるんだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。