放課後になり、私と千秋は一緒に帰ることになった。
まぁ、ジュースを奢るためなんだけど· · ·
口喧嘩をしながらもミルドーに入り、
メニューを頼むと千秋は財布を取り出した
千秋はそう言うと、ジュース代も、
さっき私が欲しいと言っていたミルドーの
メニュー代も払ってしまった。
千秋はそう言って私の頭を撫でた
こんなことシラっとする千秋も好きだ。
何気ない千秋の優しさが好きだ
たまに見せる優しい表情や、
無邪気な表情が好きだ
この短い間、千秋の好きなところが
たくさん見つけられて嬉しいけど、
見つければ見つけるほど
胸が締め付けられるように痛くなる。
なんだったら、もう気持ちを言っちゃうか。
そんなことも思ってしまう。
まだ、言えない。
言ったらこの居心地のいい関係が
壊れるかもしれない。
話すことも一緒に帰ることも出かけることも
出来なくなってしまうかもしれない。
千秋は誰に恋愛感情を向けてるの?
私以外の女の子?
可愛い子?綺麗な子?どんどん、
千秋の事ばっか気になって、
自分がどんどん嫌になってくる。
優希の時は?
こんなに、必死に恋愛してたっけ?
付き合う前、優希に一目惚れだったけど、
こんなに優希のこと想ってなかった。
こんなに、恋が辛いと思うことは
なかった。
千秋は、特別なの?
結局全て奢ってもらい、
フードコートでコップの氷をクルクル回しながら
言った。
千秋の言葉にもう、私の恋は
終わったって思った。
だけど、大好きな千秋のために
相談に乗ってやりたい。
私、今笑えてるかな?
私が千秋のこと好きって、
バレてないよね?
もしかして、花凛· · ·?
そっか、可愛いもんね。
でも、花凛には悠斗がいるじゃん。
そっか· · ·そっか· · ·。
応援、頑張んなきゃ· · ·!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!