私は優希を見つけると、何故か
近くの壁に隠れてしまった。
彼女なんだから、
堂々と優希の前に現れればいいのに· · ·
優希の電話の相手は多分· · ·女。
ううん、多分じゃなくて絶対。
浮気の噂· · ·本当なんだ。
千秋は、そう言って興味無さそうに
去ろうとした時
と、何故か千秋に話してしまった。
こいつの事、信用してないのに。
興味もないやつなのに。
千秋は、予想通りの反応をして
「お前、頭おかしくなった?
あ、元々おかしいのか笑」と、
薄笑いで言ってきた。
私がムキになってさっき見た事を
大声で言ってしまった。
優希はチラッとこちらを見たが私たちとは
まだ気がついていないみたいだ。
相手の子の通話を切りこちらにむかってくる。
あたふたしてる私の腕をつかみ、
千秋は階段に向かって降りていった
息切れをしながら、千秋の行動に驚きつつ、
疑問を口にした。
澄ました顔で言われたのに腹を立て
私はまだ掴まれてる相手の腕をつねった。
素直に呼んで欲しいとは言えないが、
急に自分の気持ちを相手にぶつけたのが、
そんなに驚きなのかしばらく、千秋は
固まって私を見つめていた。
そして、私達は何とか下の名前で呼べる
仲になれました。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!