俺は今、不機嫌です。
なんでって?
莉犬が最近構ってくれないの!!
俺は寂しい。今日こそ…かまって欲しい!
俺よりもころんなの!?
______________莉犬くん目線
さとみくんはそれだけを言って、去ってしまった。
今日…やけにあっさりと出ていっちゃったな
でも、俺には分かる。
Discordからころちゃんと通話をしながら少しゲームのタイマンをしている。
というのは建前で、本題は違うんだけどね
俺ところちゃんが今話しているのは、ドッキリの会議。
ドッキリは「嫉妬作戦」で、相手はもちろん、さとみくん。
初めての長期に渡るドッキリをするものだから、ドッキリ仕掛ける俺ところちゃんもドキドキしている
俺は本気で迷っている。
これ以上したら別れられそうで怖いし…
ころちゃんはそう言い、プツっ通話を切った。
ころちゃんの「僕は逃げるよ」の意味は「僕がいたら邪魔だろうし、二人で話し合ってきなよ」…の短縮化なんだろうな
俺はつくづくそう思う
______________
ガチャ
さとみくんの部屋を開けたら、さとみくんはめちゃくちゃ泣いていた
もう、ティッシュ三箱分は捨ててあった…。どんだけ泣いたの。
ちょっと嘘だけど…
俺はタイミングを見計らってドッキリだと伝えたかったが、ミスったかもしれない。
_______さとみくんは半日ぐらい、莉犬くんにくっついて離れなかったとの事。
______________________キリトリ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。