第5話

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2021/01/06 12:53
U
U
あの、芸能人さんとか⋯⋯ですか?



大きな目をくりくりしながら、キョトンとした表情で俺を真っ直ぐ見つめる顔が、なんとも言えない。


かわいすぎる⋯⋯。


テヒョン
テヒョン
いや、残念ながら芸能人じゃない。俺は、1年F組、キムテヒョン



丁寧にクラスまで教えた。確実に覚えてもらうために。


U
U
あ、同じ学年だぁ! あたしは1年A組のパク・あなたです



同級生だということが分かり、俺は


テヒョン
テヒョン
敬語じゃなくていい



といった。


あなたっつーのか。ふんわりとした雰囲気にピッタリの名前だ。だけどA組って⋯⋯頭いいんだ。





うちの学校はA組からF組まであって、成績順でクラスが決まる。


F組はテストなんてどうでもいいと思ってるヤツらばかりだ。


俺もその中の一人。高校に入ってからノートとか取ったことねぇ。


それに比べてあなたは⋯⋯かわいいうえに賢いのか。


こりゃモテるだろうな⋯⋯。


テヒョン
テヒョン
⋯⋯なぁ
U
U
はい?
テヒョン
テヒョン
あなたって⋯⋯モテんの?



俺、何変なこと聞いてんだよ。もっと違う質問すればいいのに。


U
U
モテるって⋯⋯あたしが⋯⋯?
テヒョン
テヒョン
うん
U
U
⋯⋯そんな! モテないよ! あたしみたいな子が!!
テヒョン
テヒョン
⋯⋯



コイツ、分かったわ。自分がかわいいという自覚がない。


U
U
あたしなんかがモテたら、世界が終わっちゃうよ〜



ふふっ、と笑いながらあなたは言った。


あーくそっ。笑う顔もかわいいな。


それにしても、「世界が終わっちゃう」って⋯⋯逆にお前がモテない方が世界が終わっちゃいますよ。


つか、コイツ絶対に天然だな。


見た目はほんわかしてるし、あなたを一言で表すなら"癒し系"だ。


そんな彼女が、無性にかわいかった。


テヒョン
テヒョン
⋯⋯じゃあさ、今週で何回こくられた?



俺は質問を変えた。


1週間に1回告られればモテるほうだろ。


なんて考えは甘かった。



















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