びっくりして、思わずあなたの肩に両手を置いた。
1週間に3回? ありえねぇだろ⋯⋯。
急に触られて驚いたのか、あなたはおどおどし始めた。
あなたの肩からパッと手を離した。
あなたは目をパチパチさせている。
これは嘘じゃねえな⋯⋯。マジかよ⋯⋯。
と自信なさげにいうあなたは、本当に天然であることをうかがわせる。
だか、そんな表情もかわいいと思ってしまう。
もし断ってなかったら相手の男ボコってるかもしれねぇ。
つか、ボコんないと気がすまない。
全然悪くねぇよ。
むしろいいから。
ユンくん⋯⋯? くんってことは男だよな?
つか、ユンって、ユンソヌ?
「結構イケメンだ」って同じクラスの女が言ってたような⋯⋯。
それに、スポーツ万能で1年なのにバスケ部でレギュラー入りしていて。おまけに性格もいいらしい。
しかもB組だから頭もまぁまぁいいし。
アイツ⋯⋯あなたのこと好きなのかよ。
あなたもOKしちゃうんじゃ⋯⋯。
その言葉にホッとする自分がいる。
断る理由が、あなたらしいな⋯⋯。
恥ずかしそうに頬を赤らめている。
あ、そういう事ね。
ふわっと笑いながら、あなたは言う。
━━━━キーンコーンカーンコーン⋯⋯。
すると授業終了のチャイムが聞こえた。
あなたがベッドからゆっくり出て、ひょいっと降りた。
もう少し話してたかったな。
保健室のドアを開けたあなたが、クルッと俺の方へ振り返った。
なんだ⋯⋯?
あなたは大きな目を細めて天使のような笑顔を浮かべた。
⋯⋯っ! コイツは、天然の小悪魔だ。
そんな顔で、そんなこと言われたら、男はツボる。
つか、話しかける。これで終わりにはしない。
絶対⋯⋯あなたが俺の事好きになるようにする。
そして、さくらは手を振りながら去っていった。
あなた⋯⋯かわいいな⋯⋯。
この日からだった。
俺が彼女にハマったのは。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!