ジミンと話をしながら歩いているうちに教室についた。
⋯⋯香水くせぇ⋯⋯。
F組は、ギャルやらチャラ男など派手めのヤツらが多い。
まぁ、バカクラスだし? しょうがないのだが。
教室に入ると同時に、化粧の濃い女たちが俺のもとにやってくる。
くせぇ⋯⋯。
女たちは香水の匂いをぷんぷん漂わせている。
鼻がいてぇよ。別に香水をつけるのはいいけど、これはやりすぎ。
そういや⋯⋯あなたも香水つけてんのかな?
昨日あなたに近づいた時、フワッと甘い香りがした。
フローラル系の、自然な甘い香り。あなたにピッタリな香り。
あれは俺が好きな香りだと思う。
あぁ、早くあなたに会いてぇな。
俺の頭の中にはあなたしかいない。あなたのことしか考えたくない。
チッ⋯⋯まだいたのかよ。
俺に話しかけてきたのはソアという同じクラスの女だ。
まぁ、セフレってやつ? でも、コイツめんどくさいんだよな。
ソアには、高校に入学してすぐにコクられたけど、彼女を作るきなかったから断った。なのに、たまに彼女面してくる。
とか。
俺はお前の彼氏じゃねぇっつーのに。
はぁ⋯⋯。
俺はソアをシカトしながら自分の席に座った。
ジミンも俺の椅子に腰を下ろして、こちらに顔を向けてくる。
ソアはと言うと、⋯⋯俺の横に立っている。
めんどくせー。
ソアが俺に顔を近づけてきた。
上目遣いかよ。
自分で可愛いとでもおもってんのか?
あなたがやったら可愛いだろうけどさ。いや、絶対かわいいな。
⋯⋯あ、やべ。完全にあなたのこと考えてたわ。
なんだっけ、「今日遊ぼう」だっけ?
今はそういう気分じゃねぇんだよ。
適当に返事をした。
すると、ソアはどこかに行ってしまった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。