もうすぐお昼休みが終わるせいか、廊下には人が溢れていた。
あたし背がちっちゃいから、人混み苦手なのに⋯⋯。
しかも、A組に行くためには全クラスの前を通らなくちゃいけない。
A組遠いからヤダぁ。
人混みに埋もれているあたしとは対照的に、ぐぅちゃんはらくらくと廊下を歩いている。
背が高いからってずるい!
少し前を歩くぐぅちゃんが立ち止まり、後ろを振り向いている。
あたしはプーッと頬をふくらませた。
そうすれば人混みに埋もれることも無いし⋯⋯
ぐぅちゃんは"ありえない"という顔をしている。
背の高いぐぅちゃんを見上げる。
全然理解出来ないよ⋯⋯。
それから何度もあたしが男の子じゃだめな理由を聞いたけど、ぐぅちゃんは教えてくれなかった。
そして、ちょうどF組を通りかかった時だった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。