第63話

ハロウィンの時間-2時間目-
2,091
2026/01/15 10:17 更新
 
〈sideあなた〉


 みんなと別れた後、私はというと。


天城)「…こんなはずじゃなかったんだけど」

伏黒)「なんだよ急に…まぁ、仕方ないだろ。突然任務に駆り出されるなんて俺らにはよくあることだし」

天城)「タイミングが悪いの…あーもう、間に合うかなぁ」
 一級任務に駆り出された私と恵は場所に着くなり呪霊を速攻祓い、伊地知さんの車に揺られていた。


天城)「5時半…任務で汗かいちゃったしさっとシャワーに入りたいけど間に合わない…」

伊地知)「こ、この先…渋滞です…」

天城)「うわ…まじか、」

伏黒)「つーか今日どうしたんだよあなた。何か用事あんのか」

天城)「うん、ちょっとね…」


 LINEを開いて茅野さんとの個人トークをタップする。


あなた)『茅野さん、任務が入っちゃって今戻ってるんだけど渋滞に巻き込まれちゃって…なるべく早く駆けつけるからみんな集まっても出来れば待ち合わせの場所にいてもらえないかな』


 送信すると、車が動き始めた。私は伊地知さんに渋谷で止めてもらうように頼んだ。しばらく報告書をスマホで打ち込んでいた時、ふと思い出したことを恵に尋ねた。


天城)「ねぇ、恵。私ってどんなコスプレが似合う?」

伏黒)「こす…コスプレ、?」

天城)「ほら、ハロウィンでしょ。さっさと答えて」


 しばらく考え込んだのち、恵が口を開く。



伏黒)「強いて言えば…シスターとか、?」

天城)「sister?妹ってこと?」

伏黒)「ちげーよ、そっちじゃなくて修道女ってことだ」

天城)「ごめんごめん…最近英単語勉強してて」


 スマホでシスターのコスプレを調べてみる。


伏黒)「にしてもあなたが勉強…どういう風の吹き回しだよ」

天城)「別に?なんかやってみたら意外と楽しかっただけ…」


 シスターコスの画像を見てみる。


天城)「…恵、むっつりスケベ」

伏黒)「は?」

伊地知)「あ、天城さん…渋谷つきました…」

天城)「無理言ってごめんね、伊地知さんありがと」

伏黒)「渋谷、?え、お前…誰と行くんだ、?」

天城)「むっつり野郎に誰が教えてやりますかっつーの、じゃあね」


 車から飛び出して駆け出していく。時刻は6時を10分ほど過ぎた。


天城)「買う暇なんてないよね…シャワーなんてもっと無理…」


 近くのトイレに駆け込み、術式でシスターコスを生み出し、もう一つ生み出したショルダーバッグに汗まみれの高専の制服を詰め込む。財布もスマホも押し込んで私はバタバタとトイレから駆け出した。
〈side渚〉


茅野)「待ち合わせそろそろ来れるだって!」

前原)「おー!ついにか!」


 僕らは待ち合わせ場所にて待っていた。ちなみに仮装はというと。カルマくんが悪魔、茅野はバニードレス。磯貝くんは執事(磯貝くんのバ先の制服に前原くんの私服黒ジャケットを合わせたらしい)で片岡さんはクラシックメイド、前原くんは吸血鬼で岡野さんが『魔女の宅急便』のキキだ。そして僕は…。


赤羽)「ポリスとは言ったけど…男性警官か〜」

潮田)「残念そうな声してもカルマくんの思惑通りにはならないからね、?」

磯貝)「お、天城来たみたいだぞ」

天城)「ごめん、みんな…!」


 走ってきた天城さんの衣装は…シスターさんだった。


岡野)「あなたちゃん!めっちゃ似合ってる……、!?!?」

茅野)「きょ、今日はサラシ巻いてないんだ…、?」

天城)「あー…さっきまで任務急遽遂行しててさ、もう汗だくでビッチョビチョだったから下着だけつけてサラシは捨てちゃったの…シャワー浴びたかったんだけど間に合いそうにもなかったし。臭かったらごめんね、?」

前原)「…もっと聞いていたい、このトーク、うっ!?」

岡野)「前原次何か言ったら目潰しね〜^ ^」

天城)「…似合ってるかな、?恵に聞いたらこれがいいって言うから着てみたんだけど…」

赤羽)「…は?またあの元ヤンくん?」


 こ、怖い…僕は今後ろを振り向くのが怖い。カルマくんの殺気が伝わってくる…。


天城)「そうだよ。え、似合ってない…?」

赤羽)「いや、似合ってはいる、けど…」


 顔を少し赤らめながら照れるが嫉妬も混じったような声で話すカルマくんは、しばらく口を押さえているといいことを思いついたと言わんばかりに天城さんを手招きした。


赤羽)「ツーショ、撮らない?」

天城)「ツーショ…2人で写真ってこと?別にいいけど…」


 パシャッと1枚スマホで撮ると、カルマくんは天城さんのスマホにエアドロして伝える。


赤羽)「その写真、恵くんにも送ってあげなよ。きっと元ヤンくんも見たいだろうからさ…^ ^」

全員)(カルマ、性格悪すぎる……)

天城)「?わかった、送っとくね」


 またしても2人の因縁に気づかない天城さんだったのであった。

プリ小説オーディオドラマ