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第36話

36 もう1つある【きあん】
駅からの帰り道、自転車がない事に気がついた。
駿佑
どーすんの?
きあん
4人でワーワー騒ぎすぎたね
駿佑
歩くか
きあん
できたら、ゆっくりね
駿佑
疲れてんの?
きあん
そーゆーんじゃないってば。
きあん
ねぇ、手繋がない?
駿佑
大丈夫?
きあん
介護じゃないよ
駿佑
え?なに?
きあん
こーするんだよ
駿佑
なに?きあん?
きあん
恭平くんが教えてくれたの。
近くに居られるよって。
きあん
恭平くんより、しゅんすけの手がいいな、あたし。
駿佑
どう違う?
きあん
どう違うか?
その人を好きかどうか、だけど?
なんだと思ってんの?
駿佑
全然わかんねーや、噛み合ってる?話
きあん
大丈夫、いつもこんなんだよ
すっとぼけてる訳じゃないんだけど、、、なんか噛み合わない。

でもね。
大好きなんだよ。




本当はね、

朝ごはん食べに来て。

のほかに、本当はもう一つ、お願いがある。



ずっと、思ってた。





1人暮らし始めてから、ずっと。








駿佑
寝たの?
きあん
だれと?
駿佑
え?なに?
きあん
え?
駿佑
待って。
駿佑
待ってよ。
それは、聞かないから。
死ぬまで聞かないから。
言わないで。
駿佑
今、きあんが黙ってるから、寝ちゃったのかと思ったの。
駿佑
なに、考えてんの?
きあん
こうして、手繋いで、たくさんデートしたかったな
駿佑
何言ってんの?
駿佑
きあんが、あちこち向いてたんでしょ?
きあん
違うよ、しゅんすけ、彼女いたじゃん
駿佑
いないよ、宮川のこと、言ってんだろ?
あのこ、宮川だよ、きあん、名前すら覚えてなかったよね?
きあん
宮川だったっけ?
体育祭でキスしてたじゃん
駿佑
してないし
きあん
しゅんすけのハチマキ、くれると思ってたから、、、ショックだった
駿佑
あるよ、家に
きあん
え?
そうなの?
ごめん、、、
あたし、誤解してた
きあん
戻せない事したかも。
駿佑
きあん以外の人にあげるわけないじゃん
駿佑
あ、、、暗いとさ、しゃべり過ぎちゃうね
駿佑
泣いてんの?
きあん
ごめんなさい
きあん
あたし。とんでもないこと、したんだね、、、
駿佑
いいから。
大概のことは、いいから。
しゅんすけが、抱きしめてくれる。
ぎゅーーーって。
きあん
しゅんすけ、今日一緒に寝よお?
駿佑
え?ちょ、、、
きあん
あ、、、ごめん、、、
きあん
うそ、だよ
駿佑
きあんがそんな事、言ってくれると思ってなかったから。
きあん
エッチしよって意味じゃなくって。
駿佑
うん、ぎゅーーーって、寝るんだろ?
きあん
うん。ありがとう
きあん
さすが!
きあん
なかなか、わかってもらえないんだよね、、、その感覚。
駿佑
きあん。最後の夜になるね
きあん
うん、だから。
駿佑
わかったよ。
普通の会話はできないけど、こーゆー感覚は一緒なんだよね。


ぎゅーーーって、して欲しい。


心の奥の方が、ふわってする、解放される感じ。




しゅんすけの細い体が、精一杯あたしを守ってくれる感じ。




駿佑
きあん、パパ怒らない?
きあん
大丈夫じゃない?

パパ、、、許して。



駿佑
明日、3時ごろまで学校行って、そっから東京行っちゃうから。
駿佑
そしたら、もう、会えないの?
きあん
何年かしたら、帰ってきて、、、
駿佑
そしたら、、、付き合っ・・・
きあん
ダメよ
きあん
けんとと約束してる
駿佑
なんでだよ?
すごい勢いで、繋いでた手を離す、、、
駿佑
なんで、いつもオレじゃないの?
駿佑
なんで、オレじゃない男ばっか、恋してんだよ?
駿佑
なんで、オレだけに来てくれないの?
駿佑
オレだけ、過去の男じゃん
きあん
だって。
きあん
寂しかったの、ごめんなさい



しゅんすけと、そんな風に喧嘩になると思わなかった。


しゅんすけをまた、泣かせてしまった。


これが、最後の夜なのに。








きあん
明日の朝、ご飯待ってるね
そう言って、走り去った。




そうだよ、あたし、けんとと結婚する。



けんとは、あたしを泣かせたりしないもん。







寂しくさせないもん