そして電気を消し、みんなは眠りにつく
・・
遼花side
寝ようと思っても寝付けなくて時計は12を過ぎる
そして
頭の中を「切りたい」の4文字で埋め尽くされる
無意識のまま刃先を手首にすべらす。
すると赤い線から
みるみる赤い液体が流れていく
綺麗な血が。
その線を、その液体を、その腕を。
ただ見てるだけで何とも言えない幸福感がある
この赤が、綺麗で綺麗でたまらない
そうしてもう一本、もう一本と増えていく
元々横線は沢山あるのに
・・
切りすぎちゃったかな、?
でもいいや、楽しいから。
・・
ショウside
腕には絆創膏が何枚も貼ってあった
そして、いつのかは分からないが横線も。
やってたのは知ってたけど
そこまでとは。まあ俺は止めないけど
しばらく考え込んでからこう言った
じゃあ俺は一生分からないんだろう、
「人」じゃないから
急に寄りかかってくるから驚いて横を見ると
静かな寝息をたてていた。
しかし寝ている間も、
緊張感のある顔は変わらなかった
まるで嘘の仮面を被っているかのように
・・
遼花side
目が覚めると、何故か布団で寝ていた。
昨日はショウと話していて…
時間を確認すべくスマホを付けると、
6:00と表示されている
何故か身体が重くて、
普段はしないけれど2度寝した
・・
寝ている間、子供の頃の夢を見た
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!