第62話

~我慢してた~
小さい頃、私はいつもお兄ちゃんと一緒にいた。

岩ちゃんと遊ぶ時も小学校に行く時も。




でも、あの二人が変わってしまったのはバレーをしてから…






~あなた小2~




あなた 「お兄ちゃん、それなーに?」

及川 「 ん?これはね、バレーだよ!」

あなた 「え、お兄ちゃん踊るの?」

及川 「違う!バレーボール!」

岩泉 「あなたバレーも知らないのか?」

あなた 「わかんなーい」

岩泉 「じゃあ教えてやるよ!」





その後は、みっちり練習。

凄く楽しかった。またやってみたいって思った。





でも、1番思ったのは…この二人のバレーをやっている姿をずっと見ていたいということ。




楽しそうな笑顔。失敗すると悔しがる姿。

キラキラしていて、とても輝いていた。






でも、中学生からはいきなり楽しむだけのバレーが勝つためのバレーになって悩む二人だけを私は鮮明に覚えてる。





何も声をかけられなかった。
それがとても悔しかった。



だから、私のせいで迷惑をかけたくないから。
我慢した。とことん我慢して、とことん泣いた。




辛かったのは事実。
でも、私は二人を応援したかったから…








これが最後の年。
お兄ちゃん達が勝つことは嬉しい。



でも、やっぱり烏野を応援したい。

























まずい…トビが焦ってきてる。


点差が縮まらない。この点をどう埋めるか、お兄ちゃんにどう勝てるのかだけを考えすぎている。



あなた 「トビ落ち着いてぇ!」






ダメだ。全然聞こえてない。










そして、選手交代。
トビの代わって菅原先輩がコートに入る。





トビはこっちを向いてなんだか申し訳なさそうな顔をしていた。




それを見た私は、笑顔で



あなた 「大丈夫っ一旦落ち着いて、先輩のプレイしっかり見とこ!」




そう言うと、トビは頷いて控えのとこに歩いていった。








トビと菅原先輩のプレイは全くもって違う。
トビは自分自身の実力で信頼をも埋めてしまう。


でも、菅原先輩はみんなからの信頼、一人一人のくせ…それを全てわかった上でのセットアップ。





さすが先輩だ。





ピッ ピピーッ




25ー15




第1セットは落としてしまった烏野。

もう後がない…!





がんばって…