第48話

~めんどくさいけど~
家に着き、ドアを開ける。

今日はいつもより少し早く帰ってきたはずなのに、いつもある靴がない事に気がついた。




あなた 「ただいまぁ…岩ちゃんは?」

母 「おかえり〜 今日は徹がめんどくさいんだって」

あなた 「あ、」





母の言葉を聞いて先程のことを思い出した。





月バリだァ…。






お兄ちゃんはご飯を食べて自分部屋にいるというので、私はご飯を食べ終えお兄ちゃんの部屋に行くことにした。





コンコンとノックをして部屋にいることを確認した。





あなた 「お兄ちゃん?」




及川 「んー?」





割と返事は明るくて少し安心。





あなた 「入るよ?」



及川 「…うん」






ドアを開け、部屋に入るとそこにはベッドに横になっているお兄ちゃん。





あなた 「月バリ載ってなかったからいじけてんの?」



私はクスッと笑いながら言ってしまった。




及川 「だって、ウシワカ載ってる…。」

あなた 「はははっ…相変わらずだ」




私は話をしながらベッドに寄っかかって、足を伸ばしながら座る。




あなた 「もうそろそろだね…インハイ予選。」

及川 「…うん。」







及川徹…お兄ちゃんはめんどくさくてうるさい。それに極めつけには女の人にモテてすぐ調子に乗る。
はっきり言って、こんなお兄ちゃんは嫌いだ。

言っても言うことを聞かない。


お兄ちゃんを初めて見た大抵の人は、お兄ちゃんのことをチャラ男と判断するだろう。



あながち間違ってない。





そんなお兄ちゃんのことを嫌いなはずなのに、お兄ちゃんのことは何でもわかってしまう。






若利くんを倒せない悔しさ。
自分が頑張らないとという責任感。
後ろから迫る天才の後輩の成長の焦り。








お兄ちゃんはきっと、凄い人で終わってしまうんだろう。





けど、私は知っている。







お兄ちゃんは誰よりも努力をしてきたこと。






あなた 「負けないよ。」

及川 「俺らが負けるわけない。」








だから私はお兄ちゃんのことは放っておけない。








バレーをしているお兄ちゃんを見れるのはきっと、もう少しで終わってしまいそうな気がする。

それはとても悲しい。








でも、どっちを応援する?って聞かれたら今の私はきっと烏野って答えるんだろう。